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愛という名のもとに

愛という名のもとに

ALAN & ERIC: BETWEEN HELLO AND GOODBYE/雙城故事

106

まあしい

4.0

3人のクリスマス・・・香港の片隅で。

そういえば、バブル崩壊後93年にフジTVのドラマで野島伸次脚本の同名作 がありました。 仕事が忙しくほとんどTVを観ることもなくすごしていたけど、このドラマだけ は、夢中になっていました。 二人の男性と一人の女性が主要人物でその仲間を含めた群像劇でしたが 今思うとあのドラマのどこに「愛という名のもとに」があったのでしょうか? 思い出せません。(笑) 91年製作の本作は、同じように少年時代からの親友二人と一人の女性 との十数年に渡る青春ドラマですが、ラスト近く3人をサンフランシスコで 再会させます。 その後の96年製作「ラブソング」という映画でピーターチャン監督は、 マギー チャンとレオン ライを起用し、二人のすれちがいの恋をやはり 十年後にNYで再会させて完結させています。 本作を昇華させて名作「ラブソング」ができあがったということが推察され ますが、どちらも素晴らしい作品です。 本作の3人の関係はきれいなトライアングルを形成し、けっしていびつに なりません。 どちらかを選ぶという選択をせず、どちらも必要としどちらも選ばないという 答えを3人がそれぞれ自分の意志で貫きます。 「愛という名のもとに」というタイトル通り、「愛」を持ってお互いをどこまでも おもいやり、そのための別れを経験し、3人はそれぞれ大人になっていき だれも傷つくことなく、「愛」を成就させます。 あまりにも理想主義なのでリアリティーに欠けると思う。 人には欲や業や自尊心や自負や嫉妬や捨て切れないものがたくさんある。 そんなものを抱えながら、他人の支えを欲したり甘えたりして生きてる。 それでいいと私は思うのだけど、本作のような自己犠牲とも思える愛を 見ると人の本質の奥深さも考えさせられるのです。こういう良心も人間には 確かにあるんだということです。 3人のもがき苦しむ葛藤はみられない。それよりも相手を想う気持ちの 方が強いから・・。 その結果として平和で平等な状態で恵みの雨を降らし 幕を降ろします。 ファンタジーと言えば、いえなくもないけれど監督の意思は違うところに あると想う。 「たまには、人の良心だけを見てみようよ。」若者3人を始終優しく俯瞰して 見つめ続けます。 今日はクリスマスイブ前夜。 本作でも恋人を待ちながら、孤独を噛みしめるマギーチャンが切ないですが 重要なシーンです。イルミネーションを背景に3人の想いが交差します。 その後、必ず幸せになるから。・・・・・・・・・・・人生は続いていくのだよ。 諦める瞬間があってもいいじゃない? 次の展開を心待ちにしよう。

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