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ONE PIECE FILM ワンピースフィルム STRONG WORLD (2009)

監督
境宗久
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3.82 / 評価:1201件

0巻商法の衝撃

ワンピースのアニメの在り方を、そしてある意味で映画業界を変えてしまったと言える作品です。

劇場版ワンピースシリーズは、この作品以前は毎年客入りが減っていくジリ貧状態で一旦シリーズを休止することも検討される危機に陥っていました。
そこで東映は原作者の尾田栄一郎を製作総指揮に迎えたことと「0巻」なる入場者特典で原作漫画ファンにアピールする手に出ました。
0巻というのは映画の設定資料集と過去編の読み切りが載っている小冊子で(個人的には)さほど大した物ではなかったのですが、なにせワンピースは日本で一番売れている漫画。単行本のコレクションに加えたいと思った人は多く、今までアニメを観たことがなかった原作ファンもこぞって足を運び各地の映画館で大行列が発生し転売屋によって0巻がヤフオクに出回るなどちょっとしたお祭り騒ぎになりました。
上映当時にジャンプ本誌の原作本編が最強クラスのキャラが集結して一大決戦を繰り広げる「頂上戦争編」に入っていて過去最高の盛り上がりを見せていたのも重なって大人も巻き込んだ第2次ワンピースブームが到来します。
結果的にこの映画の興行成績は48億。前作の「エピソードオブチョッパープラス」の9億から5倍以上もはね上がったことになります。

映画の内容が5倍面白くなったのかというと正直そんなことは・・。いたっていつも通りのワンピースです。
ただし「原作における」いつも通りであるということがミソ。それまでの劇場版はルーチンワークの番外編に過ぎない緩い作りばかりでしたが、この映画はさすが原作者が監修しているだけあって原作本編そのもののような気迫が伝わってきます。尾田先生が映画スタッフ一人一人に子供の頃に好きだった・ワクワクしたものは何かと質問をして、その答えを聞いたうえで最終的な原案を作り上げたんだとか。
映画本編を観れば先生の質問に対するスタッフ各々の答えがなんとなくわかるような気がします。
空を浮かぶ島や巨大モンスターが現れるRPGゲームのような世界。
銃をぶっ放しまくって殴り込みをかける任侠映画のノリ。
オヤジギャグと漫才。そして水着のボインの美女(笑)
童心を刺激し退屈させない冒険少年漫画活劇となっています。ちなみに初期の原案ではナミの衝撃的な過去をめぐる大人向けの感動物語だったそうです。
・・観てみたい!いつかそのアイデアも形にして世に出してほしいですね。

とにもかくにも幸か不幸か特典商法の凄まじい効果を知ってしまった映画業界。
今や子供向けだろうとオタク向けだろうとアニメ映画で入場者特典は当たり前になり、週ごとに特典が変わるえげつない攻勢で数字を伸ばすのもお馴染みの風物詩となってしまいました。挙句の果てには一部のハリウッド洋画まで特典商法を始める始末。トム・クルーズの映画を観に行って香水をもらった時はどうしようかと思ったぞ(笑)

この映画が罪作りなのはそれだけではなく、原作者が監修ということも大きく売りになるとわかったので他のジャンプアニメ劇場版も先生が週刊連載の合間に映画にかかわる例が増えていくことになった点にもあります。掛け持ちの激務をこなすはめになった先生方には頭が下がるばかりです。
実際、この映画をきっかけに国民的レベルまで拡大してしまったワンピースの人気が尾田先生及び製作陣に与えるプレッシャーは半端ではないはず。
ゴールデンタイムに2時間スペシャルで何度も進出するTVアニメ。
増刷されまくってギネス記録を更新する単行本。
うんざりするぐらいあちこちで見かけるコラボ宣伝。
それらが負担になっているのか最近原作の連載の休載が増えてきているし、TVアニメの作画レベルがなんだか微妙なままだし不安が募るばかりです。
あくまで子供向けのアニメの範疇で地味にやっていた懐かしいあの頃にはもう戻れなくてちょっと寂しい・・。

いつになるかはわからないけれどどうか無事に完結しますように!

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