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パレード (2010)

監督
行定勲
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3.59 / 評価:959件

解説

表面的な人間関係で満足しながら、都内のマンションで共同生活を送る若者たちの日々を描く青春群像ドラマ。吉田修一による第15回山本周五郎賞受賞作の原作を基に、『世界の中心で、愛をさけぶ』『遠くの空に消えた』の行定勲監督が映像化した。『DEATH NOTE デスノート』シリーズの藤原竜也が主演を務めるほか、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介ら旬の若手実力派が集結。現代の若者の内面を鋭く切り取る、行定監督の確かな演出力が光る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

映画会社勤務の直輝(藤原竜也)、イラストレーター志望の未来(香里奈)、フリーターの琴美(貫地谷しほり)、大学生の良介(小出恵介)たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、怠惰な共同生活を続けていたが、男娼のサトル(林遣都)が現われたことで変化が起こり始め……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010映画「パレード」製作委員会
(C)2010映画「パレード」製作委員会

「パレード」平和主義ではなく、保身主義の若者たちによる共同生活

 映画が始まってしばらくの間、登場人物たちの関係がよく掴めない。こいつら何者で、ここで何をしているんだ。ただ彼らの行動を見せ、会話を聞かせるだけで何の説明もしない演出が、逆に興味を増幅させる。そして一人一人を追いかけているうちに彼らの日常にスルリと入り込んでしまう。まるで昨日の自分を見るような馴染んだ感覚だ。

 狭い2LDKのマンションに、恋人でも幼馴染でも仕事仲間でもない男女が4人で暮している。現実にはありそうであり得ない状況だが、4人が共有している空気は実にリアル。それは違うと思っても、軽く受け流すだけで、口に出して否定したり拒絶したりしない。いや、もしかすると、違うと感じることさえしないのかもしれない。この一見平和主義のように見えて、実は、ことを荒立てて責任をとらされるような損なことはしたくないという保身主義は、今の日本をべったりと覆っている空気だ。その空気が、現実にはあり得ない共同生活を成立させているのかと思うと薄ら寒くなる。

 日和見のいい子でいることに苛立っても、相手と正面から向き合う訓練ができていない彼らに出来るのは、暴力で壁を破る衝動的な行為だ。楽しげにゆらゆらと揺れている表向きの彼らと、風穴を求めて奇妙な行動をとる彼らの落差が悲しい。おとなしくて危険なサトルを演じた林遣都が出色。(森山京子)

映画.com(外部リンク)

2010年2月18日 更新

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