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インセプション (2010)

INCEPTION

監督
クリストファー・ノーラン
  • みたいムービー 3,784
  • みたログ 1.6万

4.07 / 評価:7768件

ノーランがインセプションした意外なもの

  • バツイチ王子 さん
  • 2010年7月17日 3時42分
  • 閲覧数 4916
  • 役立ち度 1330
    • 総合評価
    • ★★★★★

一定リズムでズーンズーンと刻む重低音
ディカプリオと渡辺 謙というクレジット
軸の定まらない重力異常下での戦闘

そんな予告編がそそった本作「インセプション」

「メメント」で時経列を逆に並べる鮮烈を残し
「ダークナイト」で圧倒的な悪に苦悩する試練を描いた
監督クリストファー・ノーランのイマジネーションの妙
スタイリッシュな映像に名優を何人も並べ
安易な想像を許さない雰囲気を纏う
その奥深さは想像を超えていた


映画の舞台に似た雰囲気の東京フォーラム
その試写会で渡辺 謙 登場のサプライズ!
本当にカッコよく至近距離で観たオレは惚れそうだった
そんな彼が実に的を射た映画評をする

「言葉で説明しにくく 少し難解かもしれませんが
きっとまた観たくなる、そう思います」

オレは言われるほど難解とは正直思わない
解釈が分かれる場面は多いが軸はズレない
鑑賞後、アレはこう?いやそうじゃない?
そんな風に語りあうのが実に楽しいだろう

二度見れば違う感想になりそうだし
新たな発見や刺激を得る確信がある
感想すら観客のイマジネーションに委ねる
ここまで油断ならない本気で面白い映画は久しい


冒頭、英語の字幕に一瞬戸惑い、セリフが日本語と気づく
そこに有るのは不思議な和風という違和感
何が何やらわからず ?マークが頭を支配
冒頭から独特の世界観をぶつけてくる

主たる舞台は夢の中
コブは夢に入りこみアイディアを盗む“エクトラクション”の名手
サイトーはコブにアイディアを植え込む“インセプション”を依頼
クリアがコブにとって重要な報酬をもたらすことを約束される

コブのサポートする相棒
夢の空間構築する「建築士」
他人に成りすます「偽造士」
仲間の夢をシェアさせる「調合士」
「観光客」サイトーを加えた6人は
サイトーの競合企業ロバートへのインセプションに挑む


常識外の設定を受け入れ難い人も、きっと少なくない
言葉では伝えにくく量れない夢を舞台にした世界観
序盤について行けるかが楽しむための鍵だ

一時間全くノレなかったら、残り一時間半は苦痛
ノレたら逆に快感になるだろう


まず魅力であり壁でもある夢のルール

○夢では時間経過が遅く感じ、夢のまた夢は更に遅くなる
○夢を記憶通りに設計すると現実との区別がつかなくなり危険
○夢で死ぬか、上の階層で眠った自分に衝撃を受ける(=キックされる)
 と上の階層に戻る
○鎮静剤で深い眠りについた夢では死んでも現実に戻れず、抜け出せない
虚無に堕ちる
○上の階層で受けた刺激にリンクして、夢では重力異常などの現象を産む

常識的に捉われるとついて行けない

支える俳優も個性豊かで興味深い
傷を抱えたエクストラクター コブ役のディカプリオ
知性と影を抱えた渋みが良く
「ワールド・オブ・ライズ」でも思ったが難しい顔が似合う

他にもエレン・ペイジやキリアン・マーフィ、大御所マイケル・ケインに
懐かしきトム・ベレンジャーなど名優勢揃い
特に和泉 元彌似のジョセフ・ゴードン=レヴィットが頑張った
重力狂う空間での孤軍奮闘は観ていて飽きない

そしてディカプリオに国宝と言わしめた渡辺 謙
侍な義理堅さと危うさをまとった雰囲気がとても良く
彼の出演が自らのことのように誇らしい

コブの妻モル役のマリオン・コティヤールもハマる
夢に翻弄されたイメージは欝っぽく、暗い説得力を持っていた
劇中歌に彼女演じたあの「エディット・ピアフ」を使うのも粋で気が効く


夢のパラレルワールドはカーチェイス、高層ビル
雪山の武装病院、広大な廃墟と贅沢に場を作る
それぞれ特徴的でわかりにくくはないが
目まぐるしく変わる場面に翻弄される

荒唐無稽なイマジネーションは膨らみ続け
緊張まとった空気がどんどん張り詰める
その破裂がキックになり夢から覚めるときミッションは終了

印象として近いと思ったのは「マトリックス」
ネオがイマジネーション世界で活躍し現実リンクするなど共通あり
また解釈が幾重にもある点は「ドニーダーコ」の深さに近い

さんざん「夢中」にさせられ
細部を深く理解したく背中を押される
展開を知れば違った捉え方をするかもしれない
オレはまたこの感覚を味わいたい欲求に支配される


そうか!
作品のイマジネーションにどっぷり浸かるということ
それはオレ自身がノーラン監督に快楽をインセプションされたことを示す

この練り込みは一般受けせず収益的にはコケそうな予感
同時に、熱狂するファンも得ることだろう

このうえなく気持ちの良い刺激
脚本の妙にはただ感心しかなく
それこそノーラン監督とこの映画を語り明かしたくなった

詳細評価

物語
配役
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