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インセプション (2010)

INCEPTION

監督
クリストファー・ノーラン
  • みたいムービー 3,784
  • みたログ 1.6万

4.07 / 評価:7768件

複雑難解も傑作! 「ルールに従え。」

  • 映画生活25年 さん
  • 2010年7月17日 8時19分
  • 閲覧数 7936
  • 役立ち度 1346
    • 総合評価
    • ★★★★★

非常に複雑難解な作品である。

連れて行く相手を間違えると、質問攻めにあうことになるので気をつけよう。
私の隣に座ったカップルも、女性の方がチンプンカンプンだったらしく、エンドクレジット中にもかかわらず、男性が物語を解説していた。
いい迷惑だったが、得意気に語る男の言葉が耳に入り、私は驚いた。

この男、この物語の結末を、何もわかっていない。

正直、私も鑑賞中、その「ルール」を飲み込むのに苦労した。

これからご覧になる方のために、「ルール」を説明しておく。

主人公コブ(ディカプリオ)は産業スパイ。
相手の意識に潜り込み、情報を盗み出す。
潜り込む方法は相手を鎮静剤で眠らせ、自分も同時に眠り、夢を共有する。

コブには仲間が数名いて、鎮静剤を調合する者、その夢の「持ち主」になる者、その夢の世界を「デザイン」する者などの役割がある。
「デザイン」とは夢の中の世界を作り出すこと。
仲間内だけで知り得る経路やトラップを用意する。

相手が「これは夢だ」と気付けば、任務は失敗することが多いらしい。

夢の途中で目覚める方法は2つ。
一つは夢の中で死ぬこと。
夢の持ち主が目覚めると、その夢の世界は崩壊する。

もう一つは「キック」と呼ばれる方法で、夢の中でも落ちるような感覚を味わうと、人は目覚める。

現実世界と夢の中の世界では、時間の流れが違う。
たとえば、現実世界では数分であっても、夢の中では数時間に感じる。

また夢は複数層にも構成できる。
つまり夢の中でさらに眠り、夢の中で夢を見ることになる。
この場合、深い層の方が時間のズレが大きくなり、現実世界では数時間であっても、夢の世界で数十年過ごすことになる。

また強い鎮静剤により、現実世界の肉体が覚醒できない状態で「死ぬ」と「虚無の世界」へと落ちると言われる。
そこで何十年もの間「生きる」ことになるので、現実世界で目覚めても廃人となる可能性が高い。

また、この方法での産業スパイ行為はある程度知られているようで、防衛策として、夢の中でも情報を盗まれないように「訓練」をしている者もいる。
この場合、夢の中で武装した者が現れ、攻撃してくる。
もちろん相手の「心の投影」に過ぎないので、殺すが勝ちだ。

さて、本作のタイトル「インセプション」とは、情報を盗み出すことではなく、植え付けること。

今回のクライアントとなる斉藤(渡辺謙)は、ライバル会社の次期社長にある考えを植え付けることをコブたちに依頼する。
この任務は盗み出すことよりも難しく、またリスクを伴う。

本作の主題は、この任務が成功するかということだけではなく、主人公コブのある事情が深く関わってくる。
どういう事情かは述べないが、これが実に切ない。

また現実世界と夢の世界を区別するあるアイテムがあるのだが、これに注目していただきたい。

複雑で難解な展開と、物語本位な「ルール」。
これを受け入れられない方には、本作は眠りに落ちたくなるくらい不可解で退屈で苦痛に満ちた作品となるだろう。
割り切って圧倒的な世界観を表現した映像のみに酔いしれるのも、一つの見方であろう。

賛否は分かれると思うが、私は「賛」だ。
それどころか傑作と評したい。
深い余韻を残す結末だ。

ただ一つ、気になることがある。
冒頭のコブの食事の仕方だ。
私の勘違い、考えすぎかもしれないが、あの食べ方は・・・。
もしかしたら、もっと深い結末なのか・・・。
久々にもう一度鑑賞したいと思わせる作品だ。

最後に一言。
エレン・ペイジ。
美しくなったなぁ。
「ノーモア映画泥棒」のお姉ちゃんにちょっと似てるけど。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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