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NINE (2009)

NINE

監督
ロブ・マーシャル
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  • みたログ 2,991

3.42 / 評価:1,090件

メタ映画とリメイクとミュージカル

  • kinchan3 さん
  • 2013年9月1日 18時20分
  • 閲覧数 924
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 昔、丸谷才一が『81/2』というのは靴のサイズだと書いていたことがあって、博学でも知らないことがあるのだと驚いた。もっともその後も博識ぶりには嫌ほど驚かされるのだが。
 若い頃初めて観た時は、罰ゲームで見せられた気分だった。
 3回見せれば、非行に走った子どもたちを矯正できる映画だと確信した。
 何しろ、ネタに困って、どうせなら自分を描こうとしたメタ映画である。
 トリュフォーの『アメリカの夜』くらいの楽しさがあればいいのだが、まったくなかった。
 映写技師を描いた『ニューシネマパラダイス』はその意味ではメタメタ映画だろうか。
 ネタにつまると舞台裏を描こうというのが昔からの手法だ。
 『雨に唄えば』だって、バックステージものだ。

 アメリカ人は字幕では映画を見ない。漢字まじりの日本語とちがって、英語は早く読めないからだ。
 だから、リメイクということになる。
 ちなみに、他の国は吹き替えでやってしまう(金のない国は一人で全てを演じる)。
 微妙にハリウッド風になってしまうのだから、おそろしい。
 
 もっとお金があれば、ミュージカルになる。
 フェリーニの『カビリアの夜』も好きだが、『スウィートチャリティ』の方がやっぱし楽しい。
 『81/2』よりはこちらの映画の方がいいに決まっている。
 
 だって、小さい頃大好きだったクラウディア・カルディナーレを今大好きなニコール・キッドマンが演じているのだ。
 ジュリエッタ・マシーナよりはマリオン・コティヤールの方が可愛い。
 本当は奥さんを誉めなきゃダメなところだが。
 マンマをソフィア・ローレンが演じていて、イタリアの母まんまだ。

 ピーター・グリーナウェイ監督の映画に『8 1/2の女たち』というのがあるそうだ。
 1/2の女って、『まっぷたつの子爵』みたいな感じなのかしら。

 そうだなぁ。フェリーニで好きなのは『アマルコルド』や『甘い生活』や『道』だ。
 ただし、相手によって、好きな映画を変える。
 音楽家なら『オーケストラ・リハーサル』っていうだろうし、文学かぶれだったら『サテリコン』というだろう。「ええっ、ペトロニウス的な祝祭空間が展がる映画、観てないの?」と知ったかぶりをするためだ。
 もっともドキュメンタリー映画『フェリーニ サテリコン日誌』というのもあって、観てないので、相手があんまり詳しそうだったら、避けるべきだろう。

 年を取っていいことは、若い頃「分からない」といえなかったのが、平気でいえるようになったことかもしれない。面白くない映画は「面白くない」といえるのだ。
 ブルデューの文化資本じゃないけれど、本当に高かったら「そんなの観てないよ」などと平気でいえるのだが、僕らのように低いおうちの子はいつだって、コンプレックスから観たような振りをしていなければならない。
 
 なんてことを考えてしまうのが、フェリーニ映画である。
 メタ映画というのはメタセルフを感じさせる映画なのである。
 セルフマッピングを強いてくるものだ。
 
 そう考えると、遠いところまで来たものだ。
 無理して訳の分からない映画を観ていた若い頃から。
 
 

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