ここから本文です

マラドーナ (2008)

MARADONA BY KUSTURICA

監督
エミール・クストリッツァ
  • みたいムービー 37
  • みたログ 88

2.83 / 評価:23件

解説

『ウェディング・ベルを鳴らせ!』などの鬼才、エミール・クストリッツァ監督が世紀のサッカー選手、マラドーナの素顔に迫るドキュメンタリー。カメラはサッカー界のアイコンの波瀾(はらん)万丈の半生と、一人の人間としての魅力をとらえる。監督もインタビュアーとして登場し、息子のストリボル・クストリッツァが音楽を担当する。奇跡のゴールから一転、コカイン中毒の苦しみや反米主義など、赤裸々に語られるヒーローの言葉に衝撃を受ける。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

2005年、クストリッツァ監督はマラドーナの長女ダルマの誕生日に招かれ、2台のカメラと数人のクルーとともにブエノスアイレスを訪れる。そこでマラドーナは自身が敬愛する革命の戦士、チェ・ゲバラとキューバのカストロ将軍のタトゥーを誇らしげに見せてくれる。その数日後、マラドーナを祝福するライブのステージに監督も呼ばれる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008-PENTAGRAMA FILMS-TELECINCO CINEMA-WILD BUNCH-FIDELITE FILMS.
(C)2008-PENTAGRAMA FILMS-TELECINCO CINEMA-WILD BUNCH-FIDELITE FILMS.

「マラドーナ」「神の手」を是とするファンなら必見

 世紀の天才フットボーラー・マラドーナとは何者か。エミール・クストリッツァ監督のマイケル・ムーア的な突撃取材と、ディエゴ・マラドーナの目眩くゴールシーン、プライベート映像やニュース映像、さらにクストリッツァ作品の“マラドーナ”な断片がごちゃまぜに提示され、そこから「マラドーナ」が浮き彫りにされる。マラドーナを理解するのではなく、感じるための映画だ。左脳でなく右脳で見る作品だと思う。

 反ブッシュ、反米国、反システムが基調となっているが、マラドーナの言動は論理的には穴だらけだ。コカイン中毒で人間として破綻していく様も描かれる。だがその一方で、プレーヤー・マラドーナは誰も追いつくことのできない思考スピードと閃きを連発し、十重二十重に構築された守備陣を一瞬で破壊しつくす。ロジックを超えた天才がピッチ上で躍動していた。ベオグラードの試合で、2メートル近い長身ゴールキーパーと対したマラドーナは、軽々とチップキックで頭上を抜いて得点する。観衆は沈黙し、その後に大歓声。このスタジアムで「敵」への拍手はありえない。だが、ありえないことが起こった。状況を一瞬で把握し、誰も考えつかない、予想の斜め上の選択をし、完璧な技術で成功させ、世界中を裏切り、驚かせ、熱狂の渦に叩き込む。クストリッツァの言う「時代のリーダー」の姿がそこにあり、またそこにしかない。「神の手ゴール」を是とする人なら必見である。(西部謙司)

映画.com(外部リンク)

2009年12月3日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ