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タイマン

すまもも

5.0

ネタバレ派手な宣伝がなくても

クローズやドロップなどメディアの露出が多いキャスト、ド派手な宣伝、大きなスポンサーなど大人の事情満載の映画もそれはそれは面白いかもしれない。けど、ヤンキーもののコーナーにあって、どこか懐かしさを感じさせる本作は、前出の作品とは、別けて考えなくてはいけないものだった。 まず、主人公(テツオ)は、喧嘩が強い。ただ、そのバックボーンは、唯一無二だった親友が、ケンカの最中に自分をかばって刺され死んでしまう。もう二度と大事な人は失いたくないテツオは、もう喧嘩はしないと心に決め、息を潜め、ただただ高校生活を送っている。 と、いえば、王道なんだけど、これを、今をトキメク、「俺って人気あるでしょ?」「私生活も知りたい?」な役者が演じてないのが良い。 テツオって一体何者なんだろう?と、役者の姿が物語っている。 そして、テツオとタイマンを張ることを望む同級生のサブ。 ステレオタイプのヤンキーだけど、絶対いたよね、昔なら、こーゆー人。 小栗旬も、水嶋ヒロもヤンキーには全く見えなかったけど、この人なら見えたんだから、キャスティングって大事。 で、開始早々にこの二人のタイマンは決着がつくんだけど(テツオの圧勝)ここからの友情物語が実にいい。 本当に自然に友情が芽生えたようにちゃんと見えるんだよね。 なんて言うんだろう。ちゃんとそこに存在しているというか。 リアルに見えて仕方なかった。 そんなんで展開していくストーリーだけど、ちゃんと悪役もいて。 その悪役と真正面からぶつかるのも、爽快感がある。 変なクセをつけなくても、ストレートに描いた本作の方が、やっぱり心に響くんだよね。この手の映画って。 出演者は現代の役者さんなんだけど、どこか昭和を匂わせる素敵な作品でした。 役者について 主役のテツオ役(河合龍之介)には、知らなかったんだけど、テニスの王子様で人気だった人がキャスティングされたんだってね。でも、ちゃんとオーディションだったそうな。 他の喧嘩が強いって設定の役者より線の細さは感じるけど、立ち姿や、発声、雰囲気なんか見てると、オダギリジョー、西島秀俊なんかと似た匂いを感じる。端正な顔立ちで、悲しみを抱えた今回の役はすごく合ってる気がした。他の作品も見てみたいと思ったけど、そんなに大きな作品には出てないようで。これからなのかな? ただ、顔に似合わず、アクションシーンではとんでもない身体能力を見せつけられた気がする。 それは、タイマン?の方でもよくわかる。 大きくて澄んだ黒目がちな目が、彼の持っている雰囲気と合わせて、年齢を重ねていくことでいい意味で唯一無二の役者になりそうな予感。 マンタ役の粟島さん。 いろんな役で見るよね。 八嶋智人みたないいい役者になるよ、絶対。 それと、この映画のすごいところ。 映像美。 絶対すごい機材とか、天気待ちとかできるほどの余裕のある現場じゃなかったと思うけど、綺麗な画が取れてる。 この監督、製作陣、プロだな。

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