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スイートリトルライズ (2010)

監督
矢崎仁司
  • みたいムービー 196
  • みたログ 659

3.33 / 評価:241件

ライラライ

  • カラニシ さん
  • 2015年5月2日 19時08分
  • 閲覧数 3018
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作は未読だが、なるほど作中の世界観に関しては
文学的なアプローチに仕上がっている。

うまく言えないが、小説でいうところの「行間を読む」感じ。
これは映画なので、「台詞よりも間で感じる」といったところか。

まず 瑠璃子(中谷美紀) と 聡(大森南朋) の夫婦間に漂う、
別に破綻しているわけでもないのに完全に冷え切った空気に戸惑う。

自分の部屋に閉じこもりヘッドホンを着けて
テレビゲームに熱中する夫を、
同じ家にいながらわざわざケータイを鳴らして(バイブを揺らして)
リビングに呼び出す妻。

二人の間に会話がないわけではないが、会話の中に感情はない。
感情を押し殺しているのならいつか爆発させればよいのだろうが、
そういった気配もまったくない。

もはや感情というものを忘れてしまったかのような
二人の無機質なやりとりには、 達観 や あきらめ とも違う
果てしない絶望への道が見え隠れしている。



でも、この二人は離婚することはないよな~。



早い段階でこれだけは確信できてしまうところが、
この作品の不思議なところであり、またそれが魅力でもある。

やがて二人は、それぞれ違う異性と関係を持つようになる。

だがここでも、W不倫の愛憎うずまく波乱の展開になる予感はない。
なぜなら、お互い不倫相手に 救い を求めてないからだ。
正確には求めているのかもしれないが、不倫相手が
決して満たしてはくれないことを最初から知っている。

どちらかというと、 不倫 というスリルを手に入れることで
夫婦間に足りない何かのヒントを得ようとしている。
あくまでも、 救い は配偶者に求めていた。

それも、「やっぱり君が必要なんだ」みたいな台詞が
出てくるわけでもないので確かめようはない。

結局は、ドライな雰囲気なまま終始押し切られてしまう。
最後の最後に夫婦の再生への希望を匂わせてはいるが、
これこそが今作最大の「甘い嘘」と思えなくもない。

だが、それはそれでアリと思える。
やはり不思議な作品だw

ところで、この誰にも感情移入できそうにない作品に
なぜだか一定の理解が示せるのかというと、
やはりそれは役者さんたちの演技が優れているからだろう。

結構大胆なことでも飄々とこなしていく夫・聡の役に、
大森南朋さんは間違いなくハマっていた。

中谷美紀さんは、今さら論ずるまでもなく上手!!
満たされない表情や、自分で自分をコントロールできず戸惑う雰囲気・・・
どれをとっても、この作品の世界観に見合った表現力に脱帽だ。

そしてなんといっても、聡の不倫相手を演じた
池脇千鶴さん がよかった。

演技の巧みさにも驚いたが、激太りにさらにビックリww

だがこれが、いい具合に性欲(だけ)をそそる雰囲気が見事にハマった。
また、小悪魔的に男の懐に入り込むちょっとした仕草が絶妙。
いかにも同性には嫌われそうな女性を、よくぞ完璧に演じてくれた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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