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地底の呻き (2009)

NINE MILES DOWN

監督
アンソニー・ウォラー
  • みたいムービー 8
  • みたログ 13

3.83 / 評価:6件

「悪魔を見た。」

  • 玉吉 さん
  • 2011年5月10日 1時47分
  • 閲覧数 290
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

サハラ砂漠の真ん中で。
謎の洞窟の調査に当たっていた研究基地から
突如、通信が途絶えた。

研究を進めていたエラい博士が言うには、
洞窟の奥底に眠っていた
「とてつもなく大変なモノ」を
彼らは掘り起こしてしまったらしい。

調査員として派遣されて来たトーマスが
無人の基地内に足を踏み入れると、
そこにはどういうわけかホットパンツの
セクスィーギャルが一人いたじゃないの。

「あたしはジェニー。
 この基地の唯一の生存者よ。
 ねえ…誰もいないことだし、
 アタシと楽しいことする?」

当然のようにトーマスはグラグラ来てしまう。
いや、待てよ。
この基地には男しかいないはずだったが。
そう言えば、隣の部屋には
磔にされた犬の死骸と血で書かれた文字―
ハテ、一体アレはなんの儀式…???


原題" Nine Miles Down" 「地下9マイル」

『ミュート・ウィットネス』(95)
『ファングルフ/月と心臓』(97)
『バッド・スパイラル/脅迫者』(99)
90年代終わりに
僅か3本ながらも鮮烈な印象を残した
イギリスの技巧派スリラー屋さん、
アンソニー・ウォラー。

実に十年ぶりの新作というのに、
この扱いはなんとも酷すぎやしないか。

『地底の呻き』―マニア向け映画祭で
なんとも地雷じみた邦題を食らった挙句に
『ジェニーズ・ボディ』と、
DVDリリースは完全にパチモン扱い。

ミーガン・フォックスのごとき
ビッチ系下品美女が
胸元も露わなピチピチ衣装を身に纏っての
血沸き肉躍るエログロホラー!
…を期待してしまうところだけども
えええいこのバカチンが!!
かのウォラー先生がそんなしょーもない
映画を撮るワケがないんぢゃよ。

セクシーギャルのエグいスプラッタでもなく。
グログロの地底クリーチャーでもなく。
十年ものブランクを経ても尚、
ウォラーの見据える「恐怖」は
全くブレていなかった。

それは、ヒトの「感覚」の危うさ。

例えば、錯覚、誤解、空耳、思い込み、
勘違い、妄想、現実逃避…
ヒトというのは、
見たり聞いたり感じたりした情報を
そのまま忠実に処理することが出来ない
不完全な生き物。
自分の抱える不安や強迫観念に合わせ、
ヒトは目の前の「真実」を
いとも簡単に捻じ曲げる。

この女は本当に「悪魔」なんだろうか。
それとも…??

妖しいセクシーギャルが
果たして本当に悪魔なのかどうか、
その顛末よりもむしろ本題はその向こう。

「なぜ、悪魔だと思い込もうとしたのか?」
ラスト、その答えが示された時。
アッと驚くというよりは
そのあまりな愚かしさ、やり切れなさに
なんとも切ない溜息が出た。

そう言えばこのウォラー同様、
ダリオ・アルジェントやデ・パルマといった
(シャマラン君もそうなのか?)
ヒッチ流スリラーの継承者達は皆
「目の錯覚」や「単なる思い込み」といった
諸々の知覚誤認を、トリックとして
特徴的に織り込んでいて興味深い。

正直、昔の映画は不勉強なんだけど、
ヒッチコックはそろそろ観ておかんとなあと
改めて強く思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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