2010年6月12日公開

パリ20区、僕たちのクラス

ENTRE LES MURS/THE CLASS

1282010年6月12日公開
パリ20区、僕たちのクラス
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

この中学に赴任して4年目になる国語教師のフランソワ(フランソワ・ベゴドー)は、新学期初日に教室の入口で 24人の生徒を出迎える。彼らの担任でもあるフランソワは教室では帽子を脱ぐように注意したり、生徒たちに静かにするよう指示したりしている。だが、スレイマン(フランク・ケイタ)らは相変わらず反抗的な態度で……。

シネマトゥデイ(外部リンク)

作品レビュー(79件)

知的32.8%切ない12.1%笑える10.3%楽しい6.9%悲しい6.0%

  • 一人旅

    5.0

    フランス教育現場各論(公立中学編)

    第61回カンヌ国際映画祭パルム・ドール。 ローラン・カンテ監督作。 パリ20区の公立中学校を舞台に、さまざまな問題を抱えた生徒と向き合う国語教師の姿を描いたドラマ。 フランソワ・ベゴドーの2006年発表の小説「教室へ」を映像化した作品で、主演もベゴドー本人が務めた意欲作。役者素人とは思えないほどの熱演で、問題行動の絶えない生徒たちと真剣に向き合う国語教師フランソワを演じる。ドキュメンタリーテイストの濃い作風であり、手持ちカメラによる撮影が一層のリアリティを生んでいる。 世界各国からの移民が増え続けているフランスにおけるリアルな教育の現場を写実的に映し出した作品であり、明確なストーリーが存在しないにも関わらず圧巻の迫真性を保ち続けているため一瞬たりとも目が離せない。 映画の大部分が授業中の教室風景なのだが、まず最初に目に付くのは余りにもバラバラな出自・個性を持った生徒たち。白人・黒人・混血・アジア系と人種もバラバラで、キリスト教・イスラム教・仏教と信仰する宗教もバラバラ。さらにフランス出身者だけでなくアフリカ出身・カリブ海出身・中国出身とその出自もバラバラ。生徒が抱える事情もそれぞれ違いがあり、前の学校を退学になり転入してきた者や、母親が不法滞在で検挙された者、授業態度が著しく悪い者、教師に対する言葉遣いを知らない者、感情的で暴力的な者など、生徒という言葉一口で括れないほど個性の幅が異常に広い。そんな生徒ひとりひとりに真剣に向き合う国語教師フランソワ。いくら注意・指導しても一向に事態は改善されない。学級崩壊寸前の状態が延々と続く。 日本の教室風景とはずいぶん違いがある。日本の場合、画一的な教育方針がある程度通用する環境にあると思うのだが、フランスの場合、出自を含め生徒の個の違いが激しい分、生徒それぞれに合わせた教育上の考慮がより一層必要とされる。それぞれの個が明らかに違う20名以上の生徒を束ねることは至難の業であり、当然のことながら思うように授業がいかないことに対する苛立ちが教師間で噴出する。暴力的行為を働いた生徒に対し、懲罰会議を開催して強制退学に追い込む。それはある意味、手なずけられない生徒に対する教師側からの敗北宣言とも言えるし、問題児は退学させれば万事OKという短絡的で無責任な思考が蔓延することにもなる。もちろんそれは生徒側にも問題があるわけで、“分かり合えない”ことに対する教師と生徒、お互いが感じるもどかしさや苛立ち、失望が教室の雰囲気をどんどん悪くしていく。まさに混沌。解決の糸口が見えないフランス教育現場の実情が綺麗事抜きにありのまま映し出される。 それにしても教師と生徒の関係をこれほどシビアでリアルなアプローチで描いた点が新鮮。教師映画には『いまを生きる』(1989)や『陽のあたる教室』(1995)など名作が数多いが、その多くの作品で生徒は最終的に従順で良い子になる。だからこそ、教師と生徒の間で“分かり合えた”という感動が生まれるわけだが、現実ではそう上手くいかないケースがほとんどでしょう。本作では、最後まで教師と生徒が真に分かり合う瞬間は訪れない。むしろ、意図的に問題を残したまま終幕する。無数の個・無数の価値観が渦巻くフランス公立中学における教育の限界を浮き彫りにした秀作。

  • dir********

    4.0

    中学教師のリアル

    まるでドキュメンタリー映画のようにリアルな映画である。 ナレーションつけたらNHKで放送もできちゃいそうな。 中学の国語教師の日常を映してるだけなのだが、 その日常が解決の難しい困難や、 生徒とうまくいかない現実など、 見る側に考えさせる力を持っているのだ。 また、フランス映画なので日本とフランスの学校風景を 比較しながら見ることもできた。 クラスに移民が多かったり、サッカーの話でケンカに発展することは 私にとっては小さな発見であった。 中学教師ってやっぱり大変なんだなーと思わせる映画。 教師を知りたい人、教師になりたい人には是非見てもらいたい。 蛇足:主演が俳優とは違った雰囲気を持つ独特な感じの人で、 この感じはなんなんだろうなーと思い鑑賞後調べてみたところ、 なんとこの映画の原作である小説を書いた方なのだそうである。 この雰囲気は小説家が持つ雰囲気だったのかと 私は1人で合点がいったのだった。

  • kih********

    4.0

    遅れている日本の学校への警鐘

     パリの一角に、出身国も生い立ちも将来の夢も異なる移民(の子弟がほとんど)の中学校がある。始業ベルが鳴ってから、着席するまで15分間。帽子は脱がない。教師のちょっとした言い間違いを囃し立てる。そんな“問題あり”の「学級崩壊」状態に赴任して4年目になる国語教師フランソワの新学年が始まる。彼は、生徒たちに正しく美しいフランス語を教えようとしていた。しかし、生徒たちの環境を知ると、彼らとの何気ない対話の一つ一つが授業であり、真剣勝負ということが分かり、悩み、葛藤する。そこで『アンネの日記』を読ませた後に、自己紹介文を書かせる。反発する生徒たちも徐々に詳しく自分を分析して表現できるようになってくる…。という学園ものの映画。  「学園ドラマ」といっても、日本の学園ドラマとは少々趣きが違う。異民族混住社会での教育の混迷、そこでの民主的な学校運営の困難、母国語(母国文化)の主体性と共存の危うさ、等々、表面的に整然と進んでいるかに見える日本の教師からは驚きの連続である。やがて(実は既に)我が国にも同じことが展開されることになる緊張感が日本の教師にどの程度あるのだろうか、と心許ない感を禁じ得ない。ひと頃の熱血先生の熱と血でどうにかなるような社会ではなくなる(なっている)からだ。生徒の問題行動に関する懲罰委員会に委員の教師だけではなく、親の代表や生徒代表までが参加し、結果としては全生徒・全住民にまで公開されるのだ。そういう手続きを回避するかのように、「自主」退学させてしまう我が国とはおよそ別の世界だ。  良いか悪いかの判断は別にして、我が国の対応は目がくらむほど遅れている。

  • fg9********

    3.0

    何だか解ったような解らないような

     …あらすじは、解説のとおり。  パルムドール賞作品という期待観を持って観たせいか、割と普通じゃん(教師も生徒も)という印象(もっと熱血教師と悪ガキを想像していた)。  でも、その「普通」を「普通」どおり「普通」に描く手法には好感が持てた。  何か観終わってもしっくりしないが、その「しっくりしない」のが本当の日常なのだろう。  何だか解ったような解らないような寸評だな。

  • tai********

    3.0

    ネタバレそこまで痛くなく退屈もしない

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

カンヌ国際映画祭第61回

パルム・ドール

基本情報


タイトル
パリ20区、僕たちのクラス

原題
ENTRE LES MURS/THE CLASS

上映時間

製作国
フランス

製作年度

公開日

ジャンル