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ザ・ロード (2009)

THE ROAD

監督
ジョン・ヒルコート
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  • みたログ 909

3.59 / 評価:475件

解説

コーマック・マッカーシーがピューリッツァー賞を受賞した同名のベストセラー小説を映画化したロード・ムービー。文明崩壊後のアメリカで、人間としての心を失わずに旅を続ける父子の苦難の日々を描く。よき父親を熱演するのは『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセン。共演者も『アンダーカヴァー』のロバート・デュヴァルや『ハート・ロッカー』のガイ・ピアースら個性派が集結。ジョン・ヒルコート監督も絶賛のヴィゴの危機迫る演技に、思わずうなる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

謎の天変地異がアメリカを襲い、ほとんどすべての動植物が死に絶え、文明も消滅。そんな世界に残された父(ヴィゴ・モーテンセン)と息子(コディ・スミット=マクフィー)は、ひたすら南を目指して歩き始める。生き残ったわずかな人々が互いを食らうという狂気の中でも父は決して正気を失わず、息子に人としてのモラルを語り続ける。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「ザ・ロード」モーテンセンが纏うロマンティシズムと老いで魅せる、淡々とした終末譚

 まるで少女に見える息子と世の終わりを旅するビゴ・モーテンセンというだけで、いかなる悲惨が存在しようとロマンティシズムが存在する。かすかな未来に息子を委ねるモーテンセンは、「イースタン・プロミス」以降の<老い>が茶渋のように画面に沈潜、慈愛のように画面に存在する。淡々とした終末譚。まあ、いってみれば、ホームレス・ロード・ムービーの体裁だが、世界のだれもが災厄によってホームレスとなり、食欲を満たすのは生き残った同類しかない。その辺りはさらと描くにとどめていて、父と子の小さなエピソードで映画は旅を綴る。

 この映画を観たい!と強烈に感じた動機は次のようなものだ。まず、原作が「ノーカントリー」のコーマック・マッカーシーであること。ちなみに、マッカーシーの最高作「ブラッド・メリディアン」のビジュアルの参考になるのは、クリント・イーストウッドの「アウトロー」だ。

 次に、DVDスルーとなったものの、荒涼と詩情の演出がすばらしかった「プロポジション 血の誓約」のジョン・ヒルコートが監督であること。そして、決定打といえるものが、ニック・ケイブ(+ウォーレン・エリス)が音楽担当ということ。これは「プロポジション」に続いての参加だが、彼の映画音楽のセンスは抜群だ。自分のパンクの出自はかけらも感じさせない。

 「プロポジション」の主演、ガイ・ピアースも友情出演の形でラストをおいしく決める。デンゼル・ワシントン(「ザ・ウォーカー」)の姿をどこかに探し求めたのは、オレだけではないだろう。(滝本誠)

映画.com(外部リンク)

2010年6月24日 更新

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