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闇の列車、光の旅 (2009)

SIN NOMBRE/WITHOUT NAME

監督
キャリー・ジョージ・フクナガ
  • みたいムービー 443
  • みたログ 705

3.99 / 評価:255件

繋がった空の向こうにある真実。

  • pan******** さん
  • 2013年6月25日 8時17分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ホンジュラスで暮らしていたサイラは
父と叔父とともに自由の国
アメリカへの密入国を目指す。

それは警察の目を盗み貨物列車の屋根に乗り
命がけで国境を越える果てしない旅だった。

3人はなんとかメキシコまで辿り着くが
そこでメキシコのギャングたちに遭遇する。

サイラはギャングのリーダーに襲われそうになるが
ギャングの一員である
カスペルがリーダーを殺してしまう。

カスペルは愛する人をリーダーに奪われ
挙げ句の果てに殺されてしまった直後だったのだ。

そしてギャング団に背いたカスペルと
彼に助けられたサイラの逃亡劇が始まる。


この映画はフィクションではありますが
実際に今も根付く不法移民問題や
ギャングの存在を題材としています。

ギャングのリーダーであるリマルゴは
全身にタトゥーを入れていて素顔が全く見えません。

彼らは仲間を家族と呼び
家族になるためには13秒間のリンチに耐え
さらに人を一人殺さないといけない
という掟があります。

そんな恐ろしい集団に
子どもたちは憧れているのです。

12歳のスマイリーもその一人。

スマイリーはカスペルに連れられてギャングに入り
13秒間のリンチに耐えます。

あとは人を殺すだけ。

平和な日本で観ていると
これが現実だなんてまるで思えません。

でも確実に世界には存在しているんですよね。


もうひとつ現実だと思えない風景がありました。

それはサイラがアメリカを目指す旅路です。

ホンジュラスからメキシコを通り
アメリカへの列車の旅。

でもそれは決して車窓の風景を楽しみながらの
家族旅行ではありません。

警察に見つかれば強制送還
列車から落ちれば命はない。

そんな恐怖の中で空腹と雨風に耐えながら
ただひたすらアメリカを目指すのです。

そして列車の屋根の上は
そんな不法移民たちで溢れかえっているのです。

さすがに誇張されているのかと思いましたが
先日、まさに南米からアメリカへの不法移民の
ドキュメントを観ていたら
この映画と全く同じ風景が映し出されていました。

そこでやっと私は
これがリアルなのだとわかりました。


全く違う場所で生きてきたサイラとカスペルは
この列車の上で偶然出会います。

リーダーを殺してしまい
ギャング全体から追われる身となったカスペルと
彼とともに逃げたいと思ったサイラ。

二人の危険すぎる旅は
悲しい結末を迎えてしまいます。

闇の中を轟音で走る列車の先にあったのは
光なのでしょうか。幻なのでしょうか。

アメリカに辿り着けたからといって
すべてがうまくいく訳じゃない
そんなことはきっと
みんな分かってるんだと思います。

それでも今を変えるには
命がけの旅をするしかない。
それが現実なのでしょう。

知らなくたって生きていけます。
でもこれが現実です。

繋がった空の向こうにある真実です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 恐怖
  • 絶望的
  • 切ない
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