レビュー一覧に戻る
第9地区
2010年4月10日公開

第9地区

DISTRICT 9

PG121112010年4月10日公開

ane********

5.0

まさかの社会派エイリアン映画!

これまでのエイリアン映画と言えば、知性の低いもの(リドリー・スコットのエイリアン等)、高いもの(インディペンデンス・デイ等)いろいろあるが、何れにせよ人類の平和を脅かすものがほとんどだったが、この映画は違う。 特に人類に危害は加えず、逆に人類から迫害を受けている。 その姿はまさに難民。 実は人間社会の難民問題をエイリアンの形で表した風刺映画でもあるのだ。 難民をほとんど受け入れていない日本ではあまり実感を持てないかもしれない難民問題だが、この映画をきっかけに考えるのも良いかも知れない。 しかしこの映画、ただの社会派映画には終わらず、きちんと主人公にフォーカスし、その内面まで描けている。 当初、エイリアンに対して何の敬意も払わないどころか、彼らの卵を容赦なく焼き払っていた主人公のヴィカスであるが、自分がエイリアンにミューテーションする中で、徐々に変化が表れ、最後には、エイリアンであるクリストファー・ジョンソンとその息子と種族を超えた友情まで芽生えさせていく。 また、普通のエイリアン映画でないことから、先の展開も読めずにはらはらできる。 エイリアンに変化していく体、母船に戻ろうとしてあっけなく撃ち落とされる司令船、とても完全な形でのハッピーエンドは望めそうにない中で、いったいどんな結末に持っていくのか? 最後、ロボットに乗り込んでのバトルシーンもあり、それはそれで見応えはあるが、そんなアクション無しでも十分面白い映画。 異種生物との融合・ミューテーションは往年の名作「ザ・フライ」でも描かれているが、本作との違いは本作は「ザ・フライ」とは違いハッピーエンド(と思いたい)で終わるところである。 もしかしたら見にくいエイリアンになってまで生きながらえたくない、という人もいるかも知れないが、生物としての種別は変わっても知性を持って生きながらえるのはハッピーエンドと言ってよいのではないだろうか?例え、毎日キャットフードを食べる生活になったとしても。

閲覧数1,473