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獄(ひとや)に咲く花 (2009)

監督
石原興
  • みたいムービー 19
  • みたログ 80

3.68 / 評価:34件

片隅に咲く、感じ沁みる美しさ…良作です♪

「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」

安政の大獄により、江戸で斬首された吉田松陰…享年30歳
その松陰が門弟に宛てた書の冒頭に記された辞世の句…
熱い想いと揺るがぬ意志が伝わってきます。
松下村塾で彼の考えを学び、維新に力を振るった木戸孝允や高杉晋作、伊藤博文たち…
まさに現在の日本の出発点になったのが吉田松陰かもしれません。

「親思う 心にまさる親心 けふのおとずれ 何ときくらん」

吉田松陰こと…吉田寅次郎が家族に宛てた辞世の句です。
あぁっ…なんて心が温かい人なんだぁ…
あぁっ…なんて人の心が分かる人なんだぁ…
そんな風に感じ沁みます。

そんな吉田松陰…吉田寅次郎が長州藩・野山獄に収監された時のお話…

そして、そんな彼に恋い焦れ、慕った一人の女の物語…

……良い映画です。

……

『獄(ひとや)に咲く花』

****

公式サイトの予告編を見て、その映像美と作品に感じる甘美な雰囲気に一目惚れし、観て参りました。
…良いですねぇ♪

あぁっ…日本人であって本当に良かったと思える作品です。
きっとこの作品の持つ様々な美しさの機微を深く理解できるのは
我々、日本人しかおりません。

私は邦画が大好きです。
どんな映画よりも心の機微や背景の細やかな部分に共感ができたり、感情を揺さぶられるからです。
それは私が日本人だからでしょう。
また、そのような作品が実に増えた!
一部の作品や稚拙なプロモーションをクローズアップして、
邦画はダメだダメだって、なんか言われてるようですが、
私のような邦画バカから言わせれば、近年の邦画は良くなっていますよ。
私が映画にハマり出した90年代に比べたら、雲泥の差です。

巨匠たちが最期の力を振り絞っていた時代…
中堅が伸び悩み、成長段階だった時代…
若手の門戸がまだ広くなく、まさに開こうとしていた時代…
俳優では若手は浅野忠信と永瀬正敏しか見当たらず、彼らがまさに必死に支えていた時代…
女優の地位が華開こうとしていた時代…

正直、しんどかった…(笑)
でも、そんな時代を乗り越えて、現在の邦画がある。
本当におもしろい作品が増えたものです。
特に今年は大大大豊作ですよ!
こんな片隅にもこんな良い作品が一輪、美しく咲いているのですから!

****

この作品の見所は思想の獅子・吉田松陰の思想や理念、人生のあらすじではありません。
寅次郎の生き様や心の息吹に感化される人々の姿にあるのです。
野山獄に収監される、荒んだ囚人たちの心…。
その心が息を噴き返す様…なんと美しいことか!
池内万作演じる富永弥兵衛のどんより曇った心が晴れ渡った時は思わず涙がこぼれてしまいました。

そして、何と言っても、高須久です♪
この人物の描きは相当良かったです。
寅次郎という人物に触れ、変わり始める久…。
身体の垢を落とし、髪を結い、美しくなっていく容姿。
そして、寅次郎を慕う、抑え切れない気持ち。

寅次郎が自暴自棄になって、放った言葉…
「この辛さがあなたに分かりますか!」
その言葉を受け、思わずこぼれた久の心…

最後にその想いを抑えることができず、溢れ出した久の心…

寅次郎の手と久の手がつながる時…
私の心も思わずこぼれ、涙が溢れ出したのは言うまでもありません。

****

寅次郎を演じた前田倫良はお初ですが、熱演です。
ただ若干暑苦しさが過ぎるため、吉田松陰に抱く知的さという印象が薄れた感はあります。
良くも悪くも人間・吉田松陰を演じることに成功したのではないでしょうか。

そして、高須久を演じた近衛はな。
目黒祐樹の娘さんで、今回、父と共演ですね。
女性の心の機微を上手に表現できていて、良かったです。

そして、映像がかなり美しいです。
その映像に合った音楽も良いです。
野山獄のセットをうまく活用した陰影深い映像美…感動です。

日本人だったら、感じ沁みるだろう美しさ…
劇場でもDVDでも良いので、観れるチャンスがございましたら、
その片隅に咲く美しい一輪の花……
ぜひご覧あれ♪

……良い映画にまた出会いました♪

「最近のお気入り♪本田博太郎も出てました♪」

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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