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最高の人生

最高の人生

LEVITY

100

kih********

5.0

贖罪の五段階、本当か?

 償いには5つの段階があるという。  罪を認める → 後悔する → 隣人への償い →  神に対する償い → 以前の自分に戻り、善い行いをする。  そうかな。そんなに都合よく行くものかな。元の自分に戻ることなどできるのかな。誰が赦すのかな。そもそも「償う」ということができるのかな。  その、償いの五段階のという考え方こそが、原題の『Levity = 真剣さが不適当に欠如していると感じること(日本語WordNet)』に当たるのではないか、とも考えられる。この映画に『最高の人生』などと意訳邦題を付したのもlevityだ。どうも真剣でない。  この男、若い頃のlevityな犯罪を「真剣」に悔い、祈ってきた。しかし赦されるとは思っていなかった。それなのに、刑務所からの出所(赦し)により、第五段階(善い行い)に乗せられる。彼の20年にも及ぶ真剣さとは合わない。そもそも善行による贖罪なんてあり得るのか。  法律で裁かれる罪とは別のところで、誰にだって、人に致命症を与えた罪がある。自分の罪を感じないlevityな人間はともかく、真剣に贖罪の途上にある場合、5つの段階で解放されるのであれば問題はない。しかし、それもlevityではないかな、という疑問は消えない。  日常英会話にはほとんど馴染みのない英単語levityだが、このまま邦題にしても良かったのではないか。『最高の人生』では確かにまずい。ではどういう日本語が良かったか。観る人がそれぞれに「真剣」に、自分の邦題を付けることでこの映画の主題に近づくことができるかもしれない。

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