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蛇のひと (2010)

監督
森淳一
  • みたいムービー 155
  • みたログ 473

3.48 / 評価:270件

ストーリーや雰囲気が凝っていて見応えあり

  • サンゴ さん
  • 2019年5月12日 19時31分
  • 閲覧数 1203
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

面白かった。
けど、どこを褒めればいいのかはよくわからない。
だから先に欠点から言ってみる。

西島秀俊さん演じる今西がすべての鍵なのだけど、初登場場面からどうしても気になるのが、彼の関西弁。
最初の一言からイントネーションが間違っている。
私が関西出身だからっていうのはあるだろうけど、たぶん、関西人じゃなくても気になるんじゃないかと。
今はテレビで関西弁を喋るタレントさんが多いので、関西人じゃなくても聞き慣れてて、これなんか変だなってわかるもんですよね。

西島さんと同世代で関西出身の人気俳優さん、もしくは、出身は別でも関西弁がうまい人気俳優さんはいくらでもいるのに、なぜここまで違和感ありまくりの関西弁しか話せない西島さんを主役にもってきたのか。
というか、西島さんをキャスティングした時点で、彼の関西弁では違和感しかないから関西弁設定をやめようっていう話にならなかったのはなぜなのか。
最後まで見終わった後、「これ、どうしても関西弁にしなきゃいけなかったような人物像じゃないよなあ」って思った。
設定でも関西離れてから随分たつみたいだから、標準語でも問題ないのに。
逆に、何がなんでも関西弁じゃなきゃダメっていうこだわりなら、単なるキャスティングのミスだと思う。
下手な関西弁でも気にならないほどの圧倒的な演技力があるっていう俳優さんじゃないからなあ。

でも、西島さん以外の役者陣はほんとにうまかった。
主演の永作博美さんはいうまでもなく、彼らをとりまく脇役陣がみんないい味出してる。ちょっと不気味でちょっと魅力的で、ミステリー映画の出演者としては完璧。

ストーリーも文句なく面白い。
今西の人物像が少しずつ明らかになっていくんだけど、それがどれもちょっとだけ歪で。でも、わー、気持ち悪い!っていうほどのわかりやすい不気味さではなく、むしろ優しかったり愛情深かったりするんじゃないかと、そう見えるような時も多い。
ただ、「今西さんのまわりの人はみんなちょっとずつ不幸になっていく」。
面白いですよね。

最後まで見たけど、私には、今西が完全なサイコパスのようには見えなかった。
彼がサイコパスだと思われるきっかけとなった子供の頃の事件だって、彼がそれを意図していたなんて、嘘っぽいと思う。
ただ、こうなったらいいのになって思っていて、その時に少しだけの悪意を織り交ぜていくのがうまくて、それが結構面白かったから遊びのつもりでやってたら、結果的に凄惨な事件を引き起こしたものだから、自分は悪魔だ、蛇だと思ってしまったんじゃないのかなと。

そのあたりの正解は描かれていないので、真偽はわからない。
たぶん、見た人が思いたいように解釈すればいいんじゃないかと。
「重力ピエロ」の監督さんということで、そんなわかりやすい作品には仕上げてくれない。

けど、最後までどうなるんだろう?と興味をもって見られたし、正解も出してくれないラストのわりには、結構気分よく見終えることもできた。
永作さん演じる三辺が、いろいろ知った上でもなかなかたくましくて、今西の悪意にさらされても倒れない強さと優しさがあるのが描かれていたもので、単純に後味がよかった。

劇団ひとりさん演じる漫画家志望の男が最後に成功したのを見ても、今西は人の人生を何もないよりは浮き沈みがあるような人生にしたくて、それを眺めているのが好きなんだろうなあと。
結果的に不幸にしたいわけじゃないんじゃないかなあと。
わからないけどね。

とにかく、面白い、ユニークな作品でした。
多分、映画好きを自覚している人なら好きなタイプの映画だと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 知的
  • 絶望的
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