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サバイバル・オブ・ザ・デッド (2009)

SURVIVAL OF THE DEAD

監督
ジョージ・A・ロメロ
  • みたいムービー 73
  • みたログ 446

2.80 / 評価:206件

頑固爺の老舗モツ鍋屋(の、雑炊)

  • あげまき さん
  • 2010年10月7日 23時15分
  • 役立ち度 19
    • 総合評価
    • ★★★★★

もつ鍋なのに、モツが少ない。しかしシメの雑炊が旨い。
最近のおフランス製スプラッタに比べたら、
ホラー感・緊迫感は「ナシ」といっていいかもしれない。

出来不出来はおいといて、考えさせるドラマな割合が大きい。
ただ、ロメロ屋の売り物は昔からゾンビだから、なんとなくゾンビが出てくるだけで。

「あたしはモツ喰いにきたのに、この鍋、モツすくなっ!」
「うるさい!モツはただのダシじゃ、文句があるなら帰れ!」
みたいな?

ゾンビを使えばわかりやすい、というのもあるんだよね。
人の生と死がダイレクトに表現出来る。
死体になったとは言え、愛するものを撃てるのかという(お馴染みの)葛藤。
生き残った者たちの争い。
人の醜さ。
何十年も同じものを見せられて食傷気味、っちゃあその通りかと。

しかしなんだかお笑いパーツ多め。
ゾンビの頭を吹っ飛ばしたら、頭頂部だけカポーンと元の場所に落ちてくるとか、
ゾンビの口に消火器を突っ込んで、目ん玉びよよ~んとか、
なんてのは絶対お笑いだわなぁ。
あの爺さまが「これ面白くね?」とか言って笑ってる姿は想像するに難くないが、
いやー、流れからいって微妙に笑いにくいんだってば(笑)。



物語は、小さな島に住む二人の地主の争いから。
一人は「死んでゾンビになりおぞましい姿をさらすなら、妻だろうが子どもだろうが頭を撃ち抜いてとどめをさせ」
もう一人は「ゾンビだって元は人間、撃つのは非人間的。人を食わないように仕込むことが出来るのではないか?そのうち薬だってできるかも?」

この二人の地主が展開するゾンビ映画の定番葛藤に加え、
その島にやってきたヨソモノの州兵たち。
州兵たちは前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』で学生たちを追いはぎした、
ならずもの兵士である。
『ダイアリー…』の続編というよりは、並行する話という訳だ。
州兵の興味は金。あの世界でなんの意味がある?
だが一縷の望みをかけて「ゾンビがいない」と宣伝された島に上陸したことから
ゾンビをめぐる地主達の争いに巻き込まれることになる。

主義主張は違うが、地主二人とも人の心を持ち、且つ人でなしの心を持つ。
ゾンビみなごろし主義の地主は、
生き残った人間の生命と死んだ人間の尊厳を守るため、死人の頭を撃ち抜き、
ゾンビ温存主義の地主は、ゾンビを殺さず鎖でつないで未来に望みをつなぐ。
さあ、どちらの人間性に感情移入出来るでしょうか。

「さあ、どうするね。」

と、ロメ爺に言われているような気がする。
どうもこうも。
コンセプトは解ったが、体質的に宗教の違いも感じるし、
よけいな心配だろうが、ゾンビ見にきた客に納得してもらえないだろうよ。
私は好きだけどね。このいつものめんどくさいやり口が。

一番好きなのは前作に続きまたもラストシーン。
皮肉に満ちていて、しかもやりすぎかと思えるほどキレイで、やるせない。
その最後の音。

音を味わえ。

なんだか人生とか最近の世界とかやンなっちゃう音を。




思い返せば、〆の雑炊は旨かった。
フランスのリアルなジビエ料理も勝手にやってろという貫禄。
ロメロ屋は〆の雑炊で老舗の面目を保っている。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • 笑える
  • パニック
  • 不気味
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