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クレイジーズ (2010)

THE CRAZIES

監督
ブレック・アイズナー
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3.16 / 評価:221件

解説

『ゾンビ』の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた『ザ・クレイジーズ』を基に製作されたパニック・ホラー。細菌兵器の影響で凶暴化した住民が互いを襲い始めた町を舞台に、感染者の恐怖と、感染封じ込めのため町ごと焼却しようとする軍隊の狂気を描く。『ダイ・ハード4.0』のティモシー・オリファント、『サロゲート』のラダ・ミッチェルらが出演。監督を『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』のブレック・アイズナーが務め、オリジナル版監督のロメロも製作総指揮に名を連ねている。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

細菌兵器を積んだ軍用機が小さな町に墜落、ウイルスが漏れ出し、感染した住人たちが凶暴化し町はパニックに陥る。保安官デヴィッド(ティモシー・オリファント)は同僚らと共に脱出しようとするが、軍は事態を秘密裏に処理すべく町全体を封鎖。元は友人なのに襲ってくる感染者、町ごと焼却しようとする軍隊から、彼らは何とかして逃げようとするが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(c)2010 Overture Films, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
(c)2010 Overture Films, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

「クレイジーズ」スリルと詩情で新たな魅力を打ち出したスモールタウンからの脱出劇

 リメイク映画を観る場合、その元ネタと比べてみるのはひとつの楽しみ方だ。しかしジョージ・A・ロメロ監督の「ザ・クレイジーズ」との比較はいかにも分が悪い。ベトナム戦争末期の1973年に製作されたこのパニック・ホラーは、細菌兵器の恐怖をいち早く扱い、しかもロメロ特有の文明&人間批評もばっちり盛り込まれている。何せ当初は“SF”と紹介されていた作品なのだ。ロメロの先見の明、恐るべしである。

 しかしブレック・アイズナー監督のリメイク版の賢いところは、軍事衛星からの俯瞰ショットを取り入れるなど現代化を図りつつも、ことさら社会派的視点でロメロに対抗しようとせず、別の魅力を打ち出していることだ。それはずばりアイオワの田舎町が生物兵器ウイルスに汚染されていく2日間の過程を描き、そこはかとなく黄昏れた詩情の漂う“スモールタウン・ホラー”としての恐怖感を醸造すること。そして残りわずかな非感染者たちの逃避行をスリリングに見せることに徹し、“サバイバル・ホラー”としての強度を高めているのだ。凶暴化ウイルスに感染しているのかどうか判然としない保安官助手のキャラクターを登場させ、「正常と狂気の境目はどこにあるのか?」というロメロ版に通じる問いを発している点も抜かりない。

 そもそも最近は、甦った死者もウイルス感染者も“ゾンビ”として一緒くたにされることが多い。37年も前に「ザ・クレイジーズ」という“非ゾンビ映画”をあえて発表していたロメロの先見の明、やはり恐るべしである。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2010年11月11日 更新

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