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おのぼり物語 (2010)

監督
毛利安孝
  • みたいムービー 25
  • みたログ 75

3.50 / 評価:36件

共感しづらい普遍性

  • ryo***** さん
  • 2010年7月27日 17時43分
  • 閲覧数 552
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作が原作者であるカラスヤサトシ自身の自伝的四コマ漫画なのだから、創作部分があるにせよあからさまな嘘を付くとは思えないので、劇中での出来事は事実に則した事が基本描かれている筈だ。なので掴み処のない作風も彼自身の生きた証な訳で、それを変に否定するのもおかしな話なのだが、それでも映画として捉えた場合あまりに漠然とエピソードを繋げただけの物語に、いまひとつ魅力を感じなかったのも事実だ。

ただ人の人生なんて、細切れな事実を重ね合わせる事で構成できてしまう、実際は物語性のカケラも無いその程度のモノだ(そう思えるのは年を取ったからかもしれないが)。だからこの作品で描かれるブツ切れなエピソードの数々も、変にドラマ性が無い分リアリティがあるとも云えるし、起承転結があやふやなのも必然なのだろう。

そういったリアリティが作品として面白くなる場合もある(人間関係の積み重ねとか)んだけど、置かれた現状が特殊な割に大抵は”普通”として映ってしまうのはどうにも物足りなかった。それに私自身主人公にそれほど興味が湧かないためかあまりに客観視してしまうようで、売り文句でもある応援歌的な受け取り方がどうしてもできないのだ。

もちろん根本として経験がないから私には感情移入できないんだけど・・・主人公の置かれた現状って今の時代、結構稀少じゃないかと思うんだけどどうなんだろう?なんか昭和のおのぼりさんって風にしか見えないんだよねェ。いや、実際そう云う風に生きてきたんだからそれを否定するつもりは全く無いし、そう云う人がいてもおかしくは無いんだけど、それでも普通にはいないと思うんだよ、やっぱ。

その存在自体の希少さと、描かれている事の普遍さ(普通さ)がこの作品はゴッチャになってるもんだから、凡人の私では何処で折り合いを付けていいのかが判らず、結局一歩も二歩も引いた目線で作品を観てしまう。主人公の置かれた立場以外、普遍的なエピソードを払拭させる何かがあればいいが、そういうのは全くと言っていいほど無い。

確かに普通に考えれば主人公(作者)の生き方は面白いだろう。でも私にとってそれはただ面白いだけの雑談エピソードに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもない。私の感受性がその程度と言われてしまえばまあその通りなんだけど、主人公に感情移入できない私にとって彼の人生ってのは、あくまでも他人事なのだ。

ちなみに作品で唯一面白いと感じたエピソードが編集者役の八嶋智人とのやり取りだ。いかにも四コマ的オチを付けやすいエピソードなんだけど、あの人間関係には底知れぬ人生観を感じさせてくれる。彼自身の言葉にあるように「何の根拠もないんだけど」ね。

それとこれは勘ぐりだと思って貰って構わないが、原作者は自分がいわゆる普通っぽい一般ピープルだと勘違いしているんじゃないだろうか?私には十分特異(才能があるという意味で)な人間に思えるんだけど。どうもその人間性における根幹の部分で思い違いをしているから相容れないっていうか、”普通の人代表”みたいな描き方に共感できないんだろう。・・・ずい分と身勝手な解釈で申し訳ないが。

う~ん、自分でも何書いてんだか判らなくなってきたよ・・・。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • 切ない
  • コミカル
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