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東京島 (2010)

監督
篠崎誠
  • みたいムービー 258
  • みたログ 1,506

2.20 / 評価:794件

聞きしに勝る酷い映画

  • 和製ズィーマン さん
  • 2020年4月26日 19時40分
  • 閲覧数 2597
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ツッコミどころ満載…という以前に、これほど設定という設定が破綻しまくっている映画って、そう滅多にあるもんじゃない。

大体、何故無人島に流された登場人物たちを誰も捜索に来ないんだ?
密出国の中国人たちはともかく、主人公夫婦の隣人や親戚やヨット仲間、与那国島のブラックバイト青年たちの家族から捜索願が出されて、海上保安庁が捜索に来るはずだろ?
与那国島からそう遠くないんだから、常に巡視船が遊弋しているような場所のはず。
主人公夫婦が沈んだヨットから運び出したのが、エ○メスのスカーフが詰まったカバンだけって、何とも意味不明。
スマホとか携帯無線機は持ち出せなかったのか?(まあ、スマホは圏外で使えないだろうけど…)
持ち出しに失敗したのなら、その旨を視聴者に強調しておかないと、外界との連絡が取れないという絶望感が伝わらない(まさか、無線機無しでヨットで世界一周に乗り出すという暴虎馮河をやろうとしたとでも?!)。
ヒロインがヘビを殺して食うシーンが出てくるけど、何故魚介が豊富に採れる島でヘビを食う必要がある?
ただ、監督が主演女優に「ソルジャーブルー」のキャンディス・バーゲンを気取らせかっただけの自己満足か?
主人公夫婦は、相当手の込んだ小屋を作って住んでいたけど、その労力を脱出用の筏の製作に割かなかった理由を何故説明しない?
烽火を上げて沖合の船に知らせるなどの試みなどについても、視聴者に説明無し…。
中国人グループは日本へ密航しようとしていたのに、何故誰も片言の日本語すら喋れない?
あとから漂着したフィリピン人たちは、何故救命艇ではなく普通のモーターボートに乗っていたんだ?
そのモーターボートで脱出の際、ヒロインとフィリピン人は、航続距離の短いモーターボートでどこまで行けたんだ?
与那国島までと仮定して、その後どうやって東京まで?(ヒロインがヨットから予め旅行資金を持ち出していたと脳内補完?)
東京まで帰ることができたヒロインは、何故10年間ももう一人の子供を連れ戻さない?
警察や海上保安庁に事情を話すのが嫌でも、東京タワーが見える高層マンションに住めるほどだから資金はあるだろうに…。
島に残された子供は、母乳も粉ミルクもない状態で、どうやって育てられたんだ?
野ブタの乳でも飲ませたのか?
そして、あれほど次から次へと漂着者があった島なのに、何故10年間誰も漂着しない?

とにかく、画面の外側を考えた途端、お話に入り込めなくなってしまう。
これは本当に致命的な欠陥だ。

それでも、制作者たちの情熱が画面から伝われば、まだ救いようはあるのだが、無人島ものの映画なのに、何故本物の無人島で撮影しないんだ?
島の狭い範囲しか写らないから、画面から無人島感が全く伝わらない。
聞けば、徳之島と沖永良部島が撮影場所らしいが、あれなら伊豆や三浦半島で撮影しても同じじゃないか(せいぜいリーフの有る無しぐらい?)。
出演者たちに、南国リゾートライフを満喫させてやりたかったのか?
先述の無人島感もそうだけど、薄曇りの状態での撮影シーンが多く、ギラギラした南島感が全く伝わらない。
出演者たちが炎天下での撮影を嫌がったのか、制作者側が「忖度」をしたのかは分かりかねるが、画面から只管ゆるゆる感ばかりが伝わってくる。
お話自体も、ヤマ無し、オチ無し、イミ無し!(せいぜい、終盤の日本人グループと中国人グループのガキの喧嘩みたいなゆるゆるのバトルシーンが山場といえば山場?…笑)
制作者たちは、この映画で視聴者に一体何を伝えたかったのだろうか?
シリアスドラマとしても、コメディとしても、ファンタジーとしても中途半端…、ましてや、文明批評を含んだシュールな寓話になど到底なり得ていない…というより、そもそも商業映画としての体すらなしていないんじゃないか。
三流女子大の広告研究会がプロデュースして、自主制作映画サークルが作ったって感じのレベルでしかない。

こんなことなら、この映画(と原作小説)のモチーフとされる「アナタハンの女王事件」をそのままに、セッ○ス&バイオレンス満載のギラギラした映画として制作した方が余程マシだっただろうに。
尤も、そんなマーケティング対象の「スイーツ女子」が嫌がるような映画は、タイアップ先のエル○スが絶対許さないという「大人の事情」が立ちはだかるだろうが(笑)。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
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