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セラフィーヌの庭
2010年8月7日公開

セラフィーヌの庭

SERAPHINE

1262010年8月7日公開

やふたろう

4.0

素朴、純粋、実直

「印象派」と謳うと鑑賞客が押しかける日本の美術館事情。「素朴派」と云われても、美術に造詣が深くないと、どのような画家を指すのかあまり知られていない。 「素朴派」…専門的な絵画教育を受けておらず技法は一見稚拙であっても、その素朴さが絵画の本質にとどまっていると思われる一連の画家たちのこと。アンリ・ルソーが素朴派の代表、だそうだ。 このような“日曜画家”はいつの時代も世界各国にあまた存在しえるが、影響力を持った評論家や画商に認められるかが重要で、その切っ掛けは僥倖であることが多い。この作品もルソーを発掘したと云われる画商ヴィルヘルム・ウーデを通し、“家政婦は見た”風のおばちゃん画家セラフィーヌ・ルイの半生を描く。適度なシーン割りで、エピソードを繋いでおりドラマ性には少々欠けるが、おばちゃんの純朴な生き様が清々しく、けれど悲劇的にも綴られている。趣味を“仕事”にしてしまうことの辛さは、多くの場合残酷である。 この公開にあわせて世田谷美術館では所蔵品であるセラフィーヌの作品1点(!)とルソーなど素朴派の作品10点を展示。六本木の某美術館とは大違い、ガラガラの美術館でゆっくり楽しめました。享年74歳、作品は本当に素朴で、印象には残りません(>_<) セラフィーヌ役のヨランド・モロー、これは見事!

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