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祝(ほうり)の島 (2010)

監督
纐纈あや
  • みたいムービー 54
  • みたログ 29

4.31 / 評価:16件

それでも原発を推進するのか?

  • pin***** さん
  • 2012年7月8日 11時26分
  • 閲覧数 496
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

不幸なことではありますが、昨年の原子力発電所の事故から、ようやくその問題性に世間の人が気づくようになってきました。

ここのところは、毎週のように脱原発・反原発のデモンストレーションが数万人規模で行われていますね。

最近は政府とマスコミが、躍起になってもみ消そうとしていますけどね。

この作品、1年以上前に見たのですが、その当時は、Yahoo映画に登録されていませんでした。

最近、登録されていることを知ったので、当時の感想をアップします。



自主上映会での鑑賞です。

1500円と自主上映にしては安くない料金、会場も山奥の不便なところ。

にもかかわらず、会場には40人くらいの人が集まっていました。

すごいもんです。(僕の住む地域では40人も人が集まるというのは凄いことなんです。…その後『チェルノブイリ・ハート』の上映会には100人以上が集まりましたが…)

それだけ関心が高いということでしょうか。

上映は、制作会社のスタッフが上映機材を担いでの移動。

後で聞いたところによると、一人1500円の鑑賞費を出してくれれば、移動費用と食費、宿泊費だけで上映をしてくれるとのこと。

これはありがたい。

田舎で映画の上映会を開こうとすると、ソフトのレンタル代だけでも大赤字なのです。

さて、作品のほうですが、中国電力による原子力発電所の計画に反対しているとはいうものの、メインは祝島の島民の生活を淡々と描き出しているだけのもの。

冒頭に原発誘致の町議会決議の場面が登場することや2回ほど、反対デモや実力阻止の部分が描かれているものの、反対運動や原発の問題点を主に描いているわけではありません。

漁師が魚を釣り上げる様子、農民が米を作る様子、可愛らしい子豚、小学校のたった一人の新入生など島の生活が暖かく描かれているだけです。

だからこそ、そうした太古から続いているのであろう島の豊かな生活を壊そうとする原子力発電所の非人間性が心の奥底に怒りとして沸いてきます。

この島も、多くの過疎地と同じように高齢者ばかりです。

知ったかぶりをする人は「原発を作らなくても、ほうっておいても自然に消滅するだろう。」「島が崩壊してから原発を作ればいい」というかもしれません。

しかし、多くの過疎地を生み出している今日の日本の経済最優先の考え方が、原発推進の原動力となり根底でつながっているのです。

そのことに目を向ける必要があります。

今、この国の国土を守っているのは、多くの高齢者であり、過疎地に取り残されているかのように見える人々なのです。

今回の震災と原発事故でそのことに気づかなければ、それこそ、ほっておいても日本は滅びでしょう。

中国電力の社員の冷たい姿と、声をからして島を守ろうとする島民の姿に、数年前、僕たちの村で起こった、ダム問題(なんと、原子力発電所の付属施設である揚水発電ダムでした)のことを思い出しました。

電力会社の職員は、山を川を汚してもなんら恥じることがない様子でした。

この映画の冒頭で、原発推進を涼しい顔をして語っていた町長や議員さん達は、今どんな思いでいることでしょう。

もっとも、それでも、日本は再び原発推進に舵を切ろうとしていますが…。

えーと、地震が来なかったとしても、たまり続ける放射性廃棄物はどうするんですか?

釣り上げた魚に「はい、いらっしゃい。」と声をかけていた、漁師さんがとても印象的でした。

詳細評価

物語
配役
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