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武士の家計簿
2010年12月4日公開

武士の家計簿

1292010年12月4日公開

beautiful_japan_

4.0

ネタバレ加賀藩のそろばんバカの物語

加賀藩で会計を担当する算用者(そろばん侍)を勤めていた猪山家の8代目・直之(堺雅人)は、そろばんの技術に秀でる一方、融通の利かない性格から“そろばんバカ”と呼ばれていた。 天保年間以降、加賀藩でも飢饉に苦しむ領民に度々「お救い米」が支給されたが、一部の悪徳藩士が横領していた。不正の実態を調べ上げた直之は左遷されそうになるが、目付の調査で不正が発覚し、かえって藩主に重用される。 友禅流しの風景や検地のシーンが映し出されたり、赤門のエピソードが出てきたり、加賀藩らしいストーリーで前半は面白い。 猪山家が多額の負債を返済しようとする後半はやや面白みに欠ける。“にらみ鯛”のエピソードは注目されるが、全体に単調。 直之の息子の成之が、長州征伐や鳥羽伏見の戦いと絡む話はスリリング。特に大村益次郎に見いだされ、海軍主計大監になるのは面白い。 実在した猪山家の約37年間の入払帳や書簡を入手した磯田道史のドキュメンタリー的ノンフィクションが原作なので、江戸時代の武士のリアルな生活が可視化されていて興味深い。直之の妻役の仲間由紀恵をはじめ、中村雅俊・松坂慶子・草笛光子・西村雅彦などの名バイプレーヤーが良い味を出している。

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