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武士の家計簿 (2010)

監督
森田芳光
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3.32 / 評価:1242件

解説

磯田道史原作のベストセラー「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を、森田芳光監督が映画化した異色時代劇。代々加賀藩の財政に携わり“そろばんバカ”と呼ばれた下級武士が、妻の支えを得ながら一家、そして藩の財政を切り盛りしていく姿を描く。主演は、『南極料理人』の堺雅人、彼の献身的な妻役に『ごくせん』シリーズの仲間由紀恵。先行き不透明な現代にも通じる、幕末維新の激動の時代をたくましく生き抜いた主人公一家の姿が胸を打つ。

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あらすじ

会計処理の専門家、御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目の直之(堺雅人)。江戸時代後期、加賀百万石とうたわれた藩も財政状況は厳しく、加えて武家社会には身分が高くなるにつれ出費も増えるという構造的な問題があった。直之は、家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断し、猪山家の人々は一丸となって倹約生活を実行していく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010「武士の家計簿」製作委員会
(C)2010「武士の家計簿」製作委員会

「武士の家計簿」激動の幕末を、剣ではなくそろばんで生き抜いた家族の物語

 下級武士のこまごまとした日常を描いたこの作品には、すごく好きなエピソードがある。主人公の猪山直之が息子の着袴の祝いに親戚一同を招いた時、祝い膳にのせる塩焼き用の鯛が買えず鯛の絵で代用する。親戚たちがあ然とする笑えるシーンであると同時に、人になんと思われても、一度、決めたことは曲げない直之の性格がうまくでていた。

 江戸時代末期の加賀藩。御算用者(ごさんようもの・会計処理の専門家)として仕える直之は、一家の借金が膨らんでいることに気づくと、家財道具を売り払って返済、詳細な家計簿をつけ始める。彼は自分で返済方法を考え、自分で計画を立て、着々と家計建て直しを実行するのがなによりもよかった。同時に息子にそろばんや論語などを徹底的に叩き込む。それは自分がそろばんと数字で取り立てられ、家族を支えていると認識しているからで、どんな時代でも確かな芸があれば生き残ることが出来るのだ。

 これは実話の映画化で、猪山家が残した家計簿を歴史学者の磯田道史が古書店で発見し、分析して書き上げた学術書「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」が原作。プロデューサー原正人の目の着けどころが秀逸で、森田芳光監督がユーモアをまじえながら淡々と演出し、チャンバラがなくても面白い時代劇が成立することを証明した。冒頭に書いた鯛のエピソードも原作にチラリとあり、膨らませて見どころにしている。激動の幕末を、剣ではなくそろばんで生き抜く猪山家の団結と家族の絆は、先行き不透明な時代を生きる我々の指針かもしれない。(おかむら良)

映画.com(外部リンク)

2010年11月25日 更新

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