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冷たい熱帯魚
2011年1月29日公開

冷たい熱帯魚

COLDFISH

R18+1462011年1月29日公開

bir********

3.0

グロに注目されがちだが本質はそこじゃ無い

実際の事件を元にしていることや、グロに注目されがちだけど、私はもっと陰鬱で心にくるイメージがありました。それは、この映画は「(自分の様な)しがないサラリーマン」の事を見せられているんじゃ無いかと。嫁や子供、生活を人質に取られ、やりたくも無い仕事を逆らえない立場でされられる。自分が納得するかどうかなんて関係ない。辛い。逃げたい。でも逃げられない。時に勇気をもって逆らう人間もいるが、そいつらはリストラや左遷=「ボデーを透明に」されてしまう。主人公の社本は我々サラリーマンの揶揄では無いでしょうか。社本は情けなく、うだつが上がらず、でもそれは自分とも重なり。それを見ていることは、死体解体シーンなんかより、よっぽ辛い。主犯のデンデンなんて、まさに会社の上司(昭和タイプ)まんまじゃないですか。調子良く心を引き込み、突然豹変した様に罵声と詰め、人生や家族を人質に取る、考える間もなく従わせる、いつの間にかこっちもそれに慣らされてしまう。まさに搾取する側とされる側。辛い。 序盤から中盤にかけてはジェットコースターの様に面白い、引き込まれる。陰鬱なサスペンスというより、エンターテイメント!これぞ邦画!と言える傑作。やっぱりデンデンのあのゴリゴリ上司感がもう「あるある」過ぎてヤバい。社本の平民凡人うだつの上がらなさが自分の「あるある」過ぎてヤバい。 中盤の「あるアクシデント」から終盤にかけては、正直蛇足。なんか一気に安っぽいドラゴンボール的な流れ(意味不明)になってしまった。ツッコミどころも満載。これは要らなかったな。。 念のため、中盤から終盤は完全にフィクション化します。 あと、デンデンは超悪人っぽく見られると思いますが、人生というか「この世に生を受けたもの」の価値観としてこれはこれでアリかとも思います。もちろん(今、私たちが押し付けられている)社会制度上は「殺人鬼」という「悪」扱いをされますが、映画「ジョーカー」的な視点で言えば彼は彼なりに善悪を自ら決める立場に立っていただけ、とも言えます。 我々は誰かに決められてそれが当然だと信じている「社会」の中に安寧を見つけ生きているが、デンデン演じる「凶悪犯」が言うところの「お前は自分の足で立ってるのか!!??あぁ!!??」 に対し、胸を張って答える事が出来るだろうか 中盤までなら★5だった

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