そりゃぁないよ~
- mil***** さん
- 2014年1月4日 17時07分
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- 総合評価
長い想いが叶い、職場に迷惑をかけながら無理矢理、何とか鑑賞することが出来た。中原昌也氏他の熱い著名人コメントに背中を押されてか、とにかく期待は大きかった。DVD化せずに上映会のみを続けるというプレミアム感にも魅せられた。つまり私は監督の誘いに見事乗せられたんだと思う。別にそれはそれで良いのだが…。
結論は、悔しい。いくらなんでもリアリティがなさ過ぎる。
一番に思ったのは、これ、かの実在事件の被害者達は納得してくれたの? 殺人鬼をあれだけ全うな人間に描いて、それでも救わない。被害者達を狂わせて、暴走させて、それでも救わない。復習の連鎖だから誰も救わなくて良いってこと? それなら4:38もいるか?
冒頭の各キャラの描き出しなんか本当に素晴らしくて、その後の展開を本当に期待した。だけど続くのは我が侭と自己中のぶつかり合い。お前らいい加減にしろよ…。って脱力したくなる。
どう考えても足りないんだよね、平穏を手にした彼が突然現れた幼稚な少女の復習の誘いに乗せられるための裏付けが。不自然だからこそ暴走にしか見えない。刹那的な美しさも別に感じられない。
あの殺し屋、銃奪われり、お粗末過ぎるよ(ある程度のお粗末さは映画的表現の一環かも知れんけどさ)。世の殺し屋のことは知らんけど、いくらなんでも証拠写真をメールで送らんでしょ? 強盗犯を撃った償いに更に人殺しを重ねるっていう矛盾にも胸が晴れない。そんでもって主人公達に交わらずにあっさり死ぬって…。
あのバンド、というかライブハウス演出、あまりにチープじゃない? 聴覚障害があっても大成されてる方、何人もおられますけど…。
どう見ても金なさそうなボロ車あさって、金なさそうな持ち主に金出せって、しかも発砲するって…。金がないから出産出来ない? そんな訳ねーだろ!と思ったらあっさり出来てるし…。
そりゃぁないよぉ~の繰り返し。もうグダグダ。言いたいことつきない。
あれだけの名優達や映像美からは結構な費用が想像されるが、それでも4:38という非商業的長さでなおかつDVD化しないとなると、恐らく監督は本当に個人資金を相当つぎ込まれたのでしょう。本当に人生をかけられたのでしょう。表現や設定に関しても多分の勇気を払われたことが伝わって来る。
だけど、それでも言いたい。この映画は、わざわざ観に来る、比較的意識的で、ひょっとしたらそれぞれの救いを求めている人々の心には響かないよ。一般大衆に間口を広げた方がまだ良いんじゃない?
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