ここから本文です

GANTZ (2010)

監督
佐藤信介
  • みたいムービー 495
  • みたログ 4,257

3.44 / 評価:2,644件

解説

欧米でも高い人気を誇る奥浩哉の人気コミックを、前・後編の2部作で映像化したSFアクション超大作。『硫黄島からの手紙』の二宮和也、『ノルウェイの森』の松山ケンイチが初共演に臨み、謎の球体“GANTZ”に召喚され、異形の“星人”と呼ばれる敵との戦いを強いられた、若者の苦悩と究極の選択を体現する。監督は、『砂時計』の佐藤信介。生と死がテーマの深遠なドラマや、肉体を駆使した活劇の数々に圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

まったく就職が決まらない大学生の玄野(二宮和也)と、彼の幼なじみで正義感の強い性格の加藤(松山ケンイチ)は、電車にひかれて命を落としてしまう。しかし、黒い謎の球体“GANTZ”が彼らを呼び出し、“星人”と呼ばれる異形の敵との戦いを強いる。加藤は争いを避けるが、玄野はサバイバルに身を投じることを決意する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2011「GANTZ」FILM PARTNERS
(C)2011「GANTZ」FILM PARTNERS

「GANTZ」日本映画の独自性を生かし若者の現在に刺さる本格SF娯楽作

 この傑作漫画の実写化は、原作への怖れや読者への媚びに基づく“完コピ”と称する愚かなダイジェスト戦術とは無縁だ。人気スターを得て交通整理に徹するだけになりがちな日本映画の現場で、むしろ役者を追い込むほどの気迫さえ伝わってくる。そして、荒唐無稽な世界のエッセンスを2時間に圧縮することに成功している。

 開巻から40分は息を呑んだまま。死んだはずの人間が招かれた不条理な世界で強いられる、生死を懸けた戦いの緊張感が心地良い。時折挿入される人を食ったようなコメディリリーフは、より不気味さを醸し出す。原作の厭世的な高校生を、就活中の虚ろな大学生にした改変は功を奏した。弛緩した日常から切り離され、戸惑いつつもリアルな生を実感し、次第に決然となっていくプロセスは、若者達の現在に深く刺さるだろう。痛みを表す上で、グロテスクを避けず陰惨になりすぎぬ色彩設計や、CGのみならず伝統的アナログ特撮との果敢な融合は、実に効果的だ。本気度を示す爆破の快感、役柄に同化した俳優の表情。すべてが絶妙に絡まり合い、感情移入を促している。

 全2部作の前編ながら宙吊り感で引っ張るだけでなく、成長譚として完結させている点も好感度大。日本映画ならではの技術や感性を生かしつつ、同時代の気分をすくい取る人間ドラマとしても成立させたのは、佐藤信介の咀嚼力と映画的センスに他ならない。決して誇大表現に堕しない「日本が世界に挑む本格SFエンターテインメント」である。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2011年1月27日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ