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ブロンド少女は過激に美しく
2010年10月9日公開

ブロンド少女は過激に美しく

SINGULARIDADES DE UMA RAPARIGA LOURA/ECCENTRICITIES OF A BLONDE-HAIRED GIRL

642010年10月9日公開

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3.0

短編恋愛小説をオリヴェイラの文体で味わう

「ポルトガル人はポルトガル映画を見ない」と同じポルトガル人監督のペドロ・コスタが最近雑誌で語っていたが、シネコン時代に入った日本でも少なくとも大都市ではまだオリヴェイラ監督の作品が定期的に見られるのは幸いというべきだろう。 本作は同じポルトガル人作家の短編小説に基づいたもので、純粋な若者が美しい女性を見初めてからの恋の行方を描いたものだ。主人公の若者は監督の孫だそうだがなかなかハンサム(同行者はサッカーのベッカム選手に似ていたという)で一途な若者を好演していたし、お相手の若い女性も題名にあるような「少女」の部分とより魅惑的な大人の女性になりかけた部分とか垣間見られ魅力的であった。また脇を固める俳優が立派なのはヨーロッパ映画ならではといえるかもしれない。 映画全体としては各シーンが演劇的とでもいうのか、舞台を見ているような感じがするところもあり(主人公が一時住まう部屋でのシーンなど)、印象としては最近の同監督作では「夕顔」にニュアンスやテンポが似ているかなという気がした。また描かれているリスボン?の町のなんともいえない豊かさはうらやましい。 見終わった後原作の小説を読んでみたいなと思ったし、また本当のところはどうなのかと同行者といろいろと話し合えるという点ではなかなか興味深い映画であるが、出演者が泣き叫んだり、アップを多用したり、音楽で盛り上げたりして「感動」をもたらしてくれる映画とは言えないので、逆を言えばそういうものじゃないものを見たいという方には向いているかもしれない。 私が見た日比谷のシャンテシネでは本作品の上映の前にゴダールの「シャルロットとジュール」を上映したが(どういう理由かは映画館には書いてなかったと思うが)、若い男女の恋の行方と意外な結末を短編で描くという点で共通しているということなのだろうか。

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