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玄牝 -げんぴん- (2010)

監督
河瀬直美
  • みたいムービー 69
  • みたログ 61

3.97 / 評価:38件

河瀬監督の世界に合うか、合わないか。

  • せぷたか。 さん
  • 2010年12月27日 7時47分
  • 閲覧数 666
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

ユーロスペース、
4作品鑑賞スタンプラリー最終作品。

『ヘブンズ・ストーリー』
『ゲゲゲの女房』
『海炭市叙景』
『玄牝』

当館、初めての企画だそうです。
今作を鑑賞して無事完走となりました(笑顔)


ただ、残念??なのは、
今作を迎えるまでの3作品。

一番よかったなぁ、と思える
『ヘブンズ・ストーリー』でも星3個。

果たして壁を破ることはできるのか。
今作、河瀬監督の作品にしては珍しく??、
ここでの評価も高いですから、期待大でございます。

★彡     ★彡

『うまれる』とは違っていたなぁ
妊婦さんよりも、どちらかというと、
産婦人科の先生と助産婦さんのほうに、
重点が置かれていた気がしたなぁ



■『うまれる』とは違っていた
 ともに出産をテーマにしたドキュメンタリーです。
 『うまれる』は、出産を控えた夫婦に重点をおき、
 現実を描きながらも、ファンタジックな面がありました。
 
 今作は、吉村医院という、
 愛知県岡崎市にある産婦人科を舞台に、
 自然分娩での出産を希望する妊婦さんと、
 現代医療に批判的な面も持つ吉村先生といった、
 単数ではなく、複数の視点から、描かれていました。
 
 出産モノのドキュメンタリーだとは思っていましたが、
 若干想像とは違っていた展開に、正直慣れるまで戸惑ってしまいました。
 
 舞台が、愛知県岡崎市だったのも、
 エンドロールで気がついたくらいですからね。
 だって、滋賀県が舞台だとばかり思っていましたから。
 
 根拠はないのですが、たまに映る風景が、
 関西地方っぽく見えたんです。まさか岡崎だったとは。
 その割には、三河弁が、全然、飛び出さなかったなぁ。


■カリスマ医師の弊害
 自然分娩の師として、
 吉村先生は妊婦さんから、
 まるで神のように崇められています。
 
 こうなると、一見さんのなかには、
 その集団が、まるで宗教団体かのように
 見えてしまい、良いものとわかってはいても、
 距離をとりたくなるかたが出てきてしまうもの。
 
 ただ、単純に“よい”と持ち上げるのではなく、
 反対側の視点も捉えられていたのが印象に残りました。


■生と死
 〈 体と心は一体 〉
 〈 死は悪なのか? 〉
 〈 自分の生だけでなく、自分が死んでからも生を繋げていくことを考える 〉
 
 河瀬監督、
 編集には、相当苦労されたそうです。
 
 終盤に、吉村先生が、
 涙を浮かべながら本音を吐露する場面を
 持って来ていました。ここで映画タイトルにもなる“玄牝”との言葉が登場します。
 
 この場面に至るまで、
 ある意見を提示し、それに対する賛成意見、次に反対意見、といった
 パターンで、なるべく偏りがないように来ていたのですが、ここは肝と見たのかな。
 
 唯一と言ってもイイと思うのですが、
 河瀬監督のフィルターがかかっていない、ありのままの姿に見えました。
 
 出産という“生”を映しだす一方で、
 “死”というものも医者たちの口から語られる。
 
 “神の存在”が口から出てくる場面もありました。
 
 
 あえて単純にせず、
 人間の複雑さを表すために、
 シーンの繋ぎかたも、単純さを排除して複雑にしたのかもしれません。

★彡     ★彡

客電が点灯し、うしろを振り返ると、
新婚夫婦らしきかたが二組いらっしゃいました。

涙もなく、笑顔もなく、
普通の表情のままでした。
なにか考えさせられるものがあったのかもしれません。


良いドキュメンタリーですが、
主張が強い感じを私は抱いてしまいました。
私の中では、星3個が妥当な気がいたします。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • 切ない
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