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ソーシャル・ネットワーク (2010)

THE SOCIAL NETWORK

監督
デヴィッド・フィンチャー
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3.59 / 評価:2964件

蛇に睨まれた蛙のように目をそらせなかった

  • Kurosawapapa さん
  • 2011年1月20日 14時26分
  • 役立ち度 133
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画が持つ “会話力” とも言うべく吸引力は凄いものがあります。
巧みな言葉使いによって、会話は表情となりアクションとなり、浮き彫りにされていく人間関係。

さらにそれは、扇情的音楽によってパワーアップ。

まるで罠にかかったように、あるいは蛇に睨まれた蛙のごとく、
スクリーンに釘付けにさせられてしまった。


主人公のマークは、
・早口で理詰めの会話をし、凡人とはかみ合わない。
・理解し易いようにという配慮は一切無く、話が平気で飛ぶ。
・融通の利かないこだわりを持つ。

つまり、ビル・ゲイツ氏もその1人と言われている「アスペルガー症候群」に近いのでしょう。

そして、意味のない事にも新たな意味を見い出すことのできる、
最たる “ひらめき” と “直感力” を持った天才。

街を走り、階段を走り、街のヴァイオリン弾きにも目もくれず、
どこか忙しなく、イライラ感と焦燥感に満ちたマーク。

弱冠27歳、ジェシー・アイゼンバーグの演技は、見事としか言いようがありません。



この映画は、「レインマン」や「ビューティフル・マインド」に近いと思います。
レイモンドは自閉症、ナッシュ博士は統合失調症と、明らかな精神的病を抱えていた2作。

たとえマークがアスペルガー症候群であったとしても、一見、普通の若者。

しかし、徐々に見えてくる、彼だけの別世界。
本作には、マークの現実と、他の人々の現実の2重構造があったと思います。

マークが生きているのは、常に結果しか追い求めない世界。

「自分のしたことを真似できるのならやってみろ!」と言い、
「不正アクセスは欠陥を明らかにしたのだから評価されるべきだ」と豪語する。

ボートレースのように、負けても讃えられる世界ではなく、
“先行者のみが勝者” という世界。

それも、金欲は必要最小限、悪意も無い、極めて純粋なもの。
マークの “無感情” に対し、
周囲の人間だけが振り回され、嫉妬し、怒り、感情を露にしてくるのがよく分ります。



どの分野においても、結果的に異常な能力を発揮すると、天才と言われます。

他にも生きていく上の大事な術があっても、興味が無ければそこにエネルギーを全く注ごうとはしません。
精神的に普通でなかったり、型破りであったり、
言い換えるなら、それは片端で不完全な人間。

本作を鑑賞していると、マークが存在している異次元に吸い込まれそうになります。

そこは、理論が先行する無感情な世界。
その次元において、マークは英雄かもしれません。

しかし、ふと自分の現実に戻って彼を見た時、
切ない “虚無感” が漂うのです。


「レインマン」「ビューティフル・マインド」も、
主人公が、兄や妻の世界に深く交わったことにより、熱い感動を沸き起こした作品でした。

本作は、2つの現実を交わらそうとしない、突き抜けた人間ドラマ。

ラストで感じさせるのは、
ソーシャル・ネットークを手掛け5億人とのコミュニケーションを手中にした人間の “孤独” 。

更新ボタンを何回クリックしても、
エリカからの登録返事は、永遠に来ないに違いないのです。

あのラスト、皆さんはどう捉えますか?

詳細評価

物語
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