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デイブレイカー (2009)

DAYBREAKERS

監督
マイケル・スピエリッグ
ピーター・スピエリッグ
  • みたいムービー 195
  • みたログ 1,039

3.53 / 評価:432件

これって、或る意味“リング”だよねえ?

  • ナイスルール さん
  • 2012年8月23日 18時03分
  • 閲覧数 507
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

“食物連鎖”という言葉がある。
動植物の喰うか食われるかのピラミッドの頂点に、今のところ人類が君臨している。
まあ、それが自然なのであるが、そのピラミッドは強固で盤石のように見えてはいるが、人類が自分達の手に負えぬほどの大規模な環境破壊をやらかしてしまうと、一気に瓦解してしまうくらい微妙なバランスで保たれている。
昨年の福島原発事故に因る放射性物質の飛散と放射能漏れも、一つ間違えれば上記のような“大規模な環境破壊”の引き金を引く事に繫がりかねなかった訳で、そう考えると、我々の築き上げてきた世界も“一寸先は闇”のような微妙な綱渡りの上に成立していると言えよう。
しかし、この映画のような“人類とヴァンパイヤの間での食物連鎖”は、そういったガラスのピラミッドを構築する事さえ不可能のようである。
ヴァンパイヤが人間の血を吸って命を繋ぐと、吸われた人間はヴァンパイヤになるか死んでしまうかである…、つまり、ヴァンパイヤは“生きて”いる限り、どんどん仲間を増やし、増えた仲間の分だけ人間は減り、しかも人間にはヴァンパイヤにならずに死んじゃう者も多いから、余計に人間は減っていく。
従って、ヴァンパイヤが人類に取って代わって地球上に君臨するとき、人間達は殆んどいなくなっている…、よって、人類の血液を吸ってしかマトモな姿で存在し得ないヴァンパイヤは、いずれ絶滅してしまう。
そう考えてみると、ドラキュラ伯爵が計画的に仲間を作って絶滅の危機に晒されながらもヴァンパイヤの小集団で活動していた頃のほうが、とても理にかなっていて人類と共存し得ていたのだとわかる。
そうなると、ヴァン・ヘルシング博士は絶滅危惧種を絶滅へと追いやる“人類の敵”という事になってしまうか…。
この映画も、どうやってその真理に到達したのかという過程が描かれている映画であると考えると、なにか大河形式のヴァンパイヤ盛衰記のプロローグ的役割を果たしている作品だと思われ、続編が出てきそうな嫌な予感がゾクゾクする。
物語のラスト近く、一人の“人化血液”が体内に流れるヴァンパイヤ兵士(実はこの時既に人間になっている)が多数のヴァンパイヤ兵士によって血を吸われ絶命し、血を吸った兵士はその直後に人化する。その人化した兵士たちを、今度はもっと多くの兵士が血を吸って、その直後に人化して…っていう“作業”を繰り返すと、確かに死体は累々と転がってグロこの上ないが、結果的にはヴァンパイヤは絶滅し、少数だが人が残る…という結末に到達する事が解かる。
“呪いのビデオ”を使った貞子による人類絶滅計画と非常に似通った“人化血液”によるヴァンパイヤ絶滅計画みたいなもんである。
この映画、主要な登場人物が意外と少ない割にはそれぞれの人物描写が中途半端であるのが作品の質を大きく落としており、イーサン・フォーク、ウィレム・デフォー、サム・ニールら個性派俳優の存在感に頼る所が大きいように思う。
ストーリー展開や物語の世界観などは御都合主義もあるが非常に考えられたものになっていると思う。
映画の冒頭、実年齢が何歳だか不明のヴァンパイヤ少女の顛末は『インタヴュー・ウイズ・ヴァンパイヤ』に対するオマージュのように思われて美しくも哀しい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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