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デイブレイカー (2009)

DAYBREAKERS

監督
マイケル・スピエリッグ
ピーター・スピエリッグ
  • みたいムービー 194
  • みたログ 1,043

3.52 / 評価:433件

寓話

  • chi***** さん
  • 2015年2月14日 14時55分
  • 閲覧数 1110
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

イソップ寓話が動物を用いるように、
この映画では吸血鬼をモチーフにしている。

不老不死の吸血鬼も「血」という資源があってこそ。
人口のほとんどが吸血鬼になってしまえば、
その血を求め、右往左往。 暴徒と化す。
人間に置き換えてみれば、
食料問題を暗喩していると思えば分かり易い。

また、主人公の弟に、吸血鬼のままでいたい
理由を「便利だから」と言わせている。
その便利さを享受するには、「血」という限りある
資源を食いつぶさなければならず、
そうした観点で捉えれば、
便利さを享受してくれるもの・・ 
電気や石油(車のガソリン)などを喩えているようにも思える。

「便利」さに固執するあまり、他人を傷つけてまで
「血」を奪おうとする側と、不便に耐えて「人間」のまま
いようとする側との戦い。
個人的には、原子力発電推進派と廃止派の軋轢に見えた。

そこに兄弟愛や親子愛も加味して、
ただの軋轢にしていない点が、
ただのB級映画で終わらせていない。
人工血液の製造の成功が結末ではない点も、
意外な展開、結末で良かった。

惜しむらくは、
終盤、ただの人間が急激に強くなること。
武装したバンパイア軍団を相手に、
ほぼ丸腰の主人公が、爆死させていく違和感。
せめて、人間に戻った血液が、バンパイアの体内に
直接入ると爆発するといった説明くらい入れて、
針型の銃を持っているくらいはしてくれていないと
本来、無敵のバンパイアをバッサバッサでは白けてしまう。

もう1点は、
人間だと分かると、ゾンビのように、
同僚、上司、見境なく襲いまくるバンパイア軍団。
一般人ならともかく、お金持ちのセキュリティの職に
ついているバンパイアが、人間に戻ったとはいえ、
雇い主を惨殺って・・
悪者を惨殺したかった製作者の都合が見え隠れ・・
そのおかげで、ダミアンさんの見せ場ができた訳ですが。

あまりグロテスクだと、B級感が出てしまう。
あえて少し抑えて、親子愛や人間化の方を、
もう少し膨らませると、印象が変わっていただろう。
全体のトーンはシリアスなのだから。

ラストで、戻った人間を殺さずに、指数関数的に、
バンパイアが人間に戻るような終わらせ方とか・・
希望的な終わらせ方をしたくなかったのかもしれないが。
実は、一緒に人工血液を開発していた同僚が、
同じ気持ちからではなかったというのも分かるが、
個人的には、救いがなさ過ぎて、好きになれない。

今までにないバンパイア像、斬新な設定、
先の読めないストーリーと、優れた点の多い作品なだけに、
個人的には、終盤が少し残念に感じたが、
いろいろ考えさせられるいい作品だと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • 切ない
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