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ウィンターズ・ボーン (2010)

WINTER'S BONE

監督
デブラ・グラニック
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3.54 / 評価:399件

解説

残された家族を守るため、失踪(しっそう)父親捜しの旅に出た少女の姿を描く人間ドラマ。薬物中毒や貧困といった社会問題を盛り込み、過酷な境遇を力強く生きる少女の成長物語を紡ぎ、サンダンス映画祭グランプリなど世界各地の映画祭で絶賛された。監督は、長編2作目となるデブラ・グラニック。ヒロインを、本作で第83回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたジェニファー・ローレンスが熱演するほか、『アメリカン・ギャングスター』のジョン・ホークスら実力派が脇を固める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ミズーリ州に住む17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母に代わって幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。そんなある日、ドラッグの売人をしていた父親が逮捕され、自宅と土地を保釈金の担保にしたまま失踪(しっそう)してしまう。家を立ち退くまで残された期間は1週間、リーは家族を守るべく父親捜しの旅に出るが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010 Winter's Bone Productions LLC. All Rights Reserved.
(C)2010 Winter's Bone Productions LLC. All Rights Reserved.

「ウィンターズ・ボーン」アメリカの苛酷極まりない貧困と格差、そして有り得べき未来のビジョン

 <アメリカの夢の崩壊>という形容すら甘やかに響くほど、アメリカの苛酷極まりない貧困と格差の現実に真率に向き合った秀作だ。全篇、ほとんど光が射さない鉛色の淀んだ空と森、荒涼たる景観が支配する中西部ミズーリ州の山岳地帯が舞台である。

 17歳のヒロイン、リー(ジェニファー・ローレンス)は、逮捕されたドラッグ・ディーラーの父親が自宅と土地を保釈金の担保にして失踪し、廃人同様となった母親を抱え、幼い兄弟を世話している。1週間で家を没収されるために、リーの父親探しが始まるが、それは彼女にとって酸鼻な地獄めぐりであり、真の自立を問われるイニシエーションでもある。

 次第に、父親は、この麻薬に汚染された地域共同体の掟を破ったことが明かされる。この集落では男たちの存在はあまりに希薄で、母系社会のように女同士の紐帯が強固であり、禁忌に触れたリーを容赦なくリンチするのも女たちだ。通過儀礼の終わりでリーが遭遇する目をおおいたくなるような残酷な試練も、彼女たちが準備したものなのである。

 当初、経済的に行き詰まり苦境にあえぐアメリカのミニマルな写し絵にも見えた映画は、徐々に神話的な様相を帯びてくる。なかでも、まだ表情にあどけなさを残すジェニファー・ローレンスが、満身創痍で必死に家族を守ろうとする<小さな母親>を演じて感動的である。彼女の鋭い眼差しに宿るタフさ、ふてぶてしさに、女流監督デブラ・グラニクは、アメリカの有り得べき未来のビジョンを託しているのかもしれない。(高崎俊夫)

映画.com(外部リンク)

2011年10月27日 更新

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