あらすじ・解説
40数年ぶりに台湾から上海に戻ってきたイェンション(リン・フェン)だったが、生き別れた妻ユィアー(リサ・ルー)には別の家庭があった。「台湾で一緒に暮らしたい」というイェンションの申し出に、心を揺り動かされるユィアー。家族たちがさまざまな反応を見せる中、ユィアーはある決断をする。
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作品レビュー(38件)
- yos********
3.0点
あなたは余生を 本当に愛した人と過ごしますか これまでを共にした人と過ごしますか なんてこと、究極の選択のような題材のようであり クールに観れば、それって単なるわがままじゃん と腹立たしい題材でもある。 元ダンナは一緒に暮らそうと言い 現ダンナは、元ダンナと一緒に暮らせばいいと言う この二人の男、どっちが男らしい? 40数年前に別れた男と、今のダンナを捨ててまで 暮らして、「あれっ?ちょっと違ったな」 ではすまされないと思わないか? 最初は昔話で互いに盛り上がるのかもしれない でも数カ月経ち、数年が経てば 結局、40数年暮らしたダンナとの思い出も 甦ってくるに違いない。 その時の後悔は、もうどうにも取り戻せない ものである。 ということが、女の頭の中では計算するのである。 感情の赴くままに行動ができるのは若さゆえ。 いろいろと経験を重ねていくうちに 自分にとって、何がいいのかを計算できるように なるのが「女」なのである。
- dkf********
3.0点
邦題どおり、何度も食卓を囲むシーンが出てくるが、中国人にとってどれほど食事が大切か、彼らがどれほど家族で食卓を囲むことを重要視しているかが良くわかる。実際、いろんな中国映画に出てくる食事のシーンがどれも美味しそうに見えるのは、彼らの「食への思い入れ」の強さが映像に現れているのだと思う。 中国映画のエッセンスにあふれた佳作とは思うが、この作品最大の欠点は、肝心の登場人物たちの心理描写が甘いことだろう。何故現在の夫は物わかり良く妻を譲るのか、何故妻はそんな簡単に今の生活を捨てられるのか、何故台湾から来た元夫は最後になって話を反故にするのか(ただの人騒がせもいいところだろ?)、その辺の微妙な三角関係の深層心理に踏み込まれることがなく、あっさり描かれ過ぎていて、いまひとつ説得力がない。結局、主題は何だったのか?と思ってしまう。全体の雰囲気が良いだけに残念感が強い。 この監督の作品は初めて観たが、なかなかの才能の持ち主だ。ジャー・ジャンクーほどのクセもないので、そのうち決定打となりうる傑作を生みだしそうな予感がする。
- kam********
3.0点
一言で言うと、台湾と上海で生別れになったかつての夫婦が再会する作品なんだけど、中身は複雑。。 現夫ルーがなぜあんなに陽気に元夫リゥを迎え入れたんだろう。 陽気過ぎて奇妙なくらいだ。 もし自分が妻ユィリーの立場だったら家族を捨てきれないと思う。 もし再会を決めたなら、それはもう元夫のもとに行く覚悟の上。 強がりだとしてもあんなに陽気に元夫を迎えたルーはもはや「いい人」だけでは片付かない。 ほとんど音楽が使われず静かな作品だが、1シーンが長めで、会話の動きに合わせてカメラが動くのが気になってモヤモヤしながら最後まで観た。 2012.05.27鑑賞
- fg9********
4.0点
…あらすじは、解説のとおり。 中国で貧しいながらも暮らす家族の元に、40年前に生き別れた元・夫が台湾から帰ってくる。 そして、奥さんに台湾で一緒に暮らしてくれと哀願する。 当然ながら、この奥さんは家族の皆と相談するが、現・夫は反対するかと思いしや、賛成し離婚届けにも承諾してしまうお人好しぶり。 ただ、1回だけ、現・夫が料理店で、これからは自分の思いどおりに生きてやる、とキレまくる場面は切なかった。 この映画は、「とりあえず食わなきゃ何も始まらない」という、食卓を通じての人々の想いをペーソス溢れる表現で描いていて、なかなかの佳作だった。
- dir********
5.0点
「中国映画」という時点で敬遠する人もいるかもしれないが、バカにしてはいけない。 相手を思いやる気持ちに溢れた温かなヒューマン・ドラマだ。 「人情」というイメージから遠そうな中国だが、見事に描き切っている。 国民党・共産党の対立、戦争の歴史で台湾に逃れた国民党。大陸で猛威を奮った共産党。 しばらく絶交状態にあったが国交回復し、その昔に別れ台湾に行った夫と 今は別の家庭を作った妻が再会し、新しく二人の人生をやり直そうとするが 残された現在の家族はどうするか…というストーリー。 この残された現在の夫がなんとも切ない。典型的な「優しすぎて損をする」 タイプなのだが私自身もそうであるため感情移入して泣いてしまった。 非常識な申し入れを相手の気持ちを尊重して受け入れるその姿に心打たれた。 ただし、この感情の機微を読み取るのは他人の気持ちを推しはかるのが 苦手な人には難しいだろう。そういう意味では若い人向けではない映画だと思う。 「大人向け」どころか「老人向け」でさえあると思う。 現在の夫の葛藤する姿をもっと描いてほしかったことや ラストがスッキリしない微妙な終わり方だったなど 不満な点もあることにはある。 それでもやはり中盤では涙が止まらなくなるほど秀逸な映画であった。 思いやりに溢れたストーリーもさることながら、中国の文化や風土にも 触れられ、最近学んだ中国の歴史のおさらいもできた。 中国を勉強している私にとっては得るもののとても大きい映画であった。 ただ、見る人は選ぶんだろうな。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
ベルリン国際映画祭第60回