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4.0点
2010年。ワン・チュアンアン監督。共産党による国家建設で台湾に逃れた国民党の兵士が、離れ離れになった妻を訪ねる。お互いに別の伴侶を得て子供も育ったものの、忘れられない恋は数十年経ってどうなるのかという話。妻の今の夫が二人の意志に任せようとするためわかりやすい三角関係にはなっていません。お年寄りが三人集まって「みんな苦労したね」というのを確認するだけ。 いったんはともに台湾に帰ると決めた妻が、やはり今の夫と暮らし続けることを決めるのですが、その決断の揺れに焦点が当たってドラマティックに盛り上げられるわけではない。かといって、元の夫との間の子供、今の夫との間の子供、さらに恋人とうまくいってない孫娘、という家族の複雑な関係が群像劇的に描かれているわけでもない。「変わりゆく中国で家族像も変わる」という散々描かれている「物語」を一歩もでない。 とはいえ、食べるのが好きな今の夫が酒樽を抱え込むようにして座る食卓とか、いきなりやってきた実の父親を認められない息子がむっつりと包丁でモノを刻むリズムとかは悪くない。それなりに出演場面が多い孫娘のプライベートがもっと出てくれば、昔と今の対比になったのに残念です。
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