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再会の食卓
2011年2月5日公開

再会の食卓

APART TOGETHER

962011年2月5日公開

psu********

4.0

ネタバレ多分、女性のほうが理解しやすいかも。

「台湾老兵帰郷団」というのは実際にあった話だそうです。 超泣けました。 もし自分が結婚一年で夫と生き別れたら! そして、数十年後に自分を迎えに来たしたら! ・・・と考えただけで号泣。 女性はそういう共感をしやすいので無理なく受け入れられると思います。 逆に、日本男性は「はぁ!?」でしょうね。 「何十年も音信普通にしておいて、いきなり奥さんを自分の国へ連れ帰るだぁ!?」みたいな。 正に、上海家族たちの反応がその通りだし、当然でしょう。 しかし、あの女優さん(ラストエンペラーで西太后を演じた蘆燕さん!)は、80年代の上海の老年女性としては品がありすぎるし美しすぎるのです。 現代日本ではいくらでもキレイなおばあさんはいるけど、あの国の下町であんな女性はありえません。 つまり、旧国民党軍の妻で更にコブ付きというハンデがあっても、それを忘れてしまうくらい魅力的な女性だったわけです。 上海のご主人は、自分には分勿体ない女性だということを分かっていたし、妻が本当の意味で100%自分に心を開いていたわけではないことも長年暮らしているうちに悟っていたのだと思います。 そうでなかったら、最初からあんな風に快く台湾夫を迎えることは難しかったでしょう。 あと、あの国は女性も男性もとにかく自分の思うことは全面に自己主張するし。 日本の価値観で見てたら気が滅入ると思いますw あと、上海夫も台湾夫も数十年前には銃を向けあっていたと同時に同志だったんだと思います。 私たちには到底分り得ないような共通の何かがあった、という風に感じています。 また、現代はもう無くなっているかもしれませんが、水滸伝時代からあの大陸にある「客人への礼儀」という感覚も大いに関係していると思います。 が、とにかく、物語を支えたのはキャスティングだと思いました。 蘆さんの美しさが無かったらそもそもこの物語に説得力が無いし、そして上海夫役の徐才根さんも、内面の思慮深さがにじみ出るような演技で本当に泣けました。 台湾夫の凌峰さんは、本職は歌手なんですね。 「ずいぶん食卓で歌いたがる人だなー」と思いましたが、美声を披露するためだったのでしょうw 空気が不穏になることなく物語は淡々と進み、途中フフっと息がもれるような、地味な笑える出来事もあり、最後は、多分、誰もが予測するであろう別離。 夫婦って、おもしろいですね。 何十年も一緒に暮らしていても、お互いの歌を聞いたことがなかったというエピソードが、これからはまた違う生活になるんだろうなということを予測させました。 変容し続ける上海の街を皮肉るようなセリフやシーンも笑えます。 文化と歴史を知る上でも大変興味深い作品だと思います。

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