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アンチクライスト
2011年2月26日公開

アンチクライスト

ANTICHRIST

R18+1042011年2月26日公開

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2.0

ネタバレ奥さまは魔女

冒頭からしてもう最悪でした。 そこそこ年のいった夫婦の激しい行為をスローで見せ付けられる苦痛 その辺の物落とし過ぎだろ…風呂場でガラスのコップか花瓶割ってない? なんで子守アラームがミュートになっているんだ?アラームの意味がないぞ! 真冬で窓も開いてるのに同じ部屋にいて気付かないだと!? 夫婦の年の割りには子供が幼くてそれがまた生々しい 開始数分で観ている人間の精神を強制的にお通夜状態にするとはまったく恐ろしい映画です。 子供を亡くした奥さんは精神を病んでしまい、セラピストの夫は彼女を救おうと試みるのですが、どうやったらこんな救いのない話に出来るんですかね… 夫婦は奥さんの治療のために森に行くのですが、そこから更にキツくなるんです。 夫はマダニ?に噛まれるがそんな処置でいいのか? なんかベッドでも野外でもやりまくってるけど(それこそマダニとか大丈夫なのか)その山小屋お風呂とかないよね? ていうかセラピストと患者はそういうことしちゃいけないんじゃなかったっけ? 奥さん悪化してるよ早く帰って病院に行こうよ!! などとツッコんでいるとやはり事態は最悪の結末に向かっていく訳ですよ。 実は奥さんは子供の事故死より前から病んでいて、子供を虐待していたと。 彼女は「女性は悪魔的だ」という思想に取り憑かれ、我が子が転落する瞬間もただ傍観して放置していたというのです。 そんな彼女の狂気は夫に向かっていくのですが、そこからの展開はまさに地獄絵図で筆舌に尽くし難く、男女共に下半身にダメージを感じること請け合いですよ… 結局、魔女(奥さん)は夫によってこの世の苦しみから解放され、遺体は火あぶりにされるのですが、これはある意味Ding-dong, the witch is dead~♪が聴こえてきそうなハッピーエンドだといえなくもないですね。 少なくとも自分は彼女が死んでホッとしました。 しかしこの夫婦も昔は幸せで健全だったのでしょうか? 奥さんが病んでいたのは明白ですが、夫も最初からずっと「患者」の状態であったと思います。 物腰柔らかく振る舞い一見論理的なことを言っているようにも見えるけれど、彼自身も子供の死で相当ダメージを受けているし、「プロの精神科医の治療を拒否して自分が妻を治療する」という判断は完全に冷静さを欠いており病的だといえます。 医療従事者は同業を信用したがらない人が多いのでこれも仕方なかったのかもしれませんが、奥さんがあのまま病院で治療を続け、あわよくば夫も一緒に治療を受けていれば違った結果になっていたかもしれないのに…と思わずにはいられません。 自分はキリスト教に関して少し齧った程度の知識しかありませんし、この映画で表現されているメタファーなど全て理解出来た訳ではありません。 ですが物事の因果や何かしらの概念に対しての答えを性急に神や悪魔などと結び付けたがるのはキリスト教圏の人々の悪い癖なのではないかと思います。 この物語に関しては神や悪魔に関係なく、精神疾患に対して然るべき治療を施さなかった結果起きた不幸な惨劇であると考えます。 超常現象でもオカルトでもなく、選択次第で防げた事件ではないかと。 そう考えてしまう自分もある意味アンチクライストになるのかもしれませんが。

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