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3.0点
…巨匠新藤兼人監督が100歳真近に撮った遺作ということもあり、評判は相当に高い。 あらすじは解説のとおりだが、戦地に赴こうとする夫に、ある日妻から一枚のハガキが届く。 その文面は、 「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないので、何の風情もありません」というもの。 この内容からも今後の期待度大であったが、夫が村人から万歳三唱で送られて出兵したと思ったら、アッと言う間に戦死して白木の箱に納められて戻って来たシーンには、丸でコメディでも観ているような気持ちになって唖然としたが、大竹しのぶの演技に魅せられて気を取り直して再び観始める。 しかし、映画を観ているというよりは演劇を観ているような気分に陥り、大竹しのぶ(普段は好きな女優なのだが)の演技も演じ過ぎというか大仰に感じられて、多少鼻に付き始める。 戦争の残酷さ、愚かしさ、また、籤で人の生死が決められた馬鹿らしさなどは十分伝わって来たが、婚礼の儀式?での意味不明の大蛇の舞のシーンには興醒めしてしまった。 悪くはないのだが、演劇っぽい作品はどうにも自分の性分とは合わず、「何の風情もありません」とまでは言わないまでも、多少風情が損ねられたので☆三つとした。
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