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攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D (2011)

監督
神山健治
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4.05 / 評価:154件

劇場版第3作。傀儡廻との戦いを描く。

  • m_sayura さん
  • 2015年7月13日 8時41分
  • 閲覧数 1212
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

劇場版第3作。元々はスカパーで有料放送したものを、3D劇場版として公開したとの事。私はDVDで鑑賞したので、それを更に2Dに直した「ANOTER DIMENTION」というタイトルがついていました。


 劇場版の「攻殻機動隊」そして「イノセンス」を拝見した後に鑑賞。世界観としては、同じ神山監督のTVシリーズ(「2nd G.I.G」とか)と地続きなので、出来ればTVシリーズを観てから、こちらを観た方が吉かと。


 舞台は2034年。「2nd」の最後で草薙素子が公安9課を去ってから2年後の日本が舞台です。
掌に梵の刺青をしたシアク共和国のテトリスト達の連続自殺事件。その影に見え隠れする「超ウィザード級ハッカー」傀儡廻と公安9課との戦いを描いています。
 最初から「空港人質立て篭もり事件」から始まり、起承転結で言えばずっと「転」が続く様な怒涛の100分超の物語です。

 全てが観念の具体化の様な押井監督版と比べて、スタイリッシュで哲学的な面が減ったかなあと感じました。しかし、幾つものプロットが同時に走り、難民問題、老人介護問題、児童虐待などなど現実に今、日本で起きている問題も絡めたストーリーは私には難しく、それが何回か鑑賞する楽しみでもあります。

 人数を増やし、「1つの事件を10の力で解決する組織」から、「3つの事件を8の力で解決する組織」へと変容した9課。荒巻の下、9課の隊長になったトグサ。それに馴染まず、独自捜査でメンバーとの不協和音が聞こえるバトー。素子の不在とトグサの成長で9課内部の人間関係も、今までの作品とはまた違っており、そこに「傀儡廻は素子ではないのか」という疑惑が絡まり、登場人物それぞれの思惑の中、物語は進んでゆくのです。

 結局、「傀儡廻」は誰だったのか。それが作中では完全には明らかにされません。「SOLID STATE」というシステムを作り、子供を誘拐する事で虐待問題、そして孤独な老人の財産問題、更には難民問題も解決しようとしたのはコシキと宗井議員ですが。コシキの実体は2年も前に死亡しており(素子の失踪時期と重なる)、その擬体はなんと、素子のセーフハウスにある映像が流れます。これは何を意味するのか。
 電脳化した素子の「集団的無意識の一つ」がコシキなのか。それとも真犯人は別にいるのか。コシキと素子の会話を聴いたはずのバトーもタチコマも沈黙を貫き、事件の本当の真相は闇のままで終わるのです。
 そして、素子が9課に復帰するのかも、曖昧なまま。

 作り込まれたストーリーと登場人物が魅力的な映画でした。「ストーリーの外側」をも大切にする神山監督の、凝った世界観が最高です。「ARISE」も観たいなあ。

詳細評価

物語
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