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ブローン・アパート (2008)

INCENDIARY/BLOWN APART

監督
シャロン・マグアイア
  • みたいムービー 57
  • みたログ 326

2.60 / 評価:121件

全て添え物

  • t32 さん
  • 2017年6月3日 15時08分
  • 閲覧数 1218
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

旦那の気難しい性格に翻弄されて孤独感を抱く嫁さんミッシェル・ウィリアムズ。それが理由かどうかは明言されないが、満たされない心を坊や(息子)に愛情を注ぐことで埋め、渇いた欲望をリッチなジャーナリストのユアン・マクレガーとのワンナイトラブ(昼間だけど)で潤す。

情事の真っ最中にリアルタイム(TV放送)で家族がテロに巻き込まれる様子を目撃した時の落差が衝撃的で、事件現場に駆けつけて危険を顧みずに2人を探す展開は緊迫感があってよかったと思う。また、テロ実行犯と思しき男の倅に接近し、犯人の家族とはいえ「帰らない身内を待つ」という似通った境遇に親近感を覚えて彼を救う展開も、見ようによってはそれなりに感動的ではある。

ここまでは良い。でもこの後がいけない。

旦那の上司に口説かれてトレーラーハウスへ行き、上司の裏切りが発覚してそこを飛び出して、なぜか死んだはずの坊やが脈絡もなく家に帰ってきていて(妄想)、犯人の嫁と倅が謝りにきて、また坊やがいなくなって、町中を探し回っているうちに新しい命を授かっていることに気づき、そして立ち直る。
なんだそれ…。

気難しい旦那は完全に忘れ去られ、テロ事件は上司の裏切り以外にこれといった必然性も与えられない。結局、序盤の設定や展開は中盤以降一切活きてこないのだ。
更には、ユアンは家政婦は見たの市原悦子のように影からミッシェルをそっと見守り続け、新しい命に関する情報についても一切触れられない。
そもそも、新しい子供ができたらそれでいいの? 壊れたおもちゃは買い換えればいい。でも、子供(に限らず命あるもの)もそれと同じように替わりがきくのか? 一児を持つ父親の立場として断言する、それはあり得ない。

結局、決められたプロットとギミックをすごろくのごとく粛々と消化しているだけで、肝心の物語が一切描かれていない。「この作品の中で男は全員添え物」というレビューがあったけど、男だけじゃなく全てが添え物。人物に限らず小物も展開も設定もとにかく全て。
そして、ラストの意味不明なモノローグが今作品を総括している。独善的な監督の自己陶酔作品だと。

序盤でグッと掴まれただけに、中盤以降の空っぽ展開は残念という他ない。

詳細評価

物語
配役
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