設定が腑に落ちないのとオチに不満
- morecambeandwise さん
- 2020年1月1日 4時18分
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ワンシチュエーションでなかなか見せる努力は評価できると思います。
ヘイデン・クリステンセン、ジョン・レグイザモと個性派を揃えたところが妙味ですね。「クローズド・バル」というスペイン映画?と似たテイストを感じます。ワンシチュエーションでできるだけ描く、というやり方ですね。
映画館の映写室で急に停電が起きたことから始まって、映写技師のポールが慌てるけれども客も騒がず。それもそのはず、服だけ残して、人間は蒸発していると。他にもあちこちで同様のことが。
この辺、「アローン」というフランス映画やテレビシリーズだった「レボリューション」あたりがちょっと思い出される話ではあります。あと、ロシアで次々と人間が消される「ダーケストアワー」も同系統と言えるでしょうか。今回はとにかく画面の暗さ、暗闇の原始的恐怖、というところにこだわったと思います。
その上で、こういう原始的恐怖に直面したときに、肉親とはなればなれになったときに、人はどう振る舞うのか、を描くことに一義的な関心があって、背景の理屈だとかハッピーエンドにはほとんど興味がなかったんだろうな、と思います。
どんなに当面の作戦をうまく遂行しよう、という目的があっても、それよりも自分の見たいものを信じてしまう人間の弱さ、みたいなことでしょうか。最後ジェームスがルークが止めるのも聞かずにお母さんのいた教会に行ってしまったことで、ルークも犠牲になるわけで、「おいこら!」と思いたくなる気持ちもあったり。ローズマリーも9カ月の息子の声が聞こえたらつい乳母車の方に行ってしまって消滅するとか、敵方もけっこう人間をおびき出す手練手管に長けてるな、と思ってしまい、少し「耳なし芳一」を思わせる古典ホラーの要素もありました。
ポールが触れていた、イギリスの最初の植民地に残されていた言葉が、今回の町にも残されていた、というのはなんの象徴なんでしょうね。謎は全部解けなかったわけですが、続編とかあるんでしょうか。個人的には結構気に入りました。
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