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戦火のナージャ
2011年4月16日公開

戦火のナージャ

UTOMLYONNYE SOLNTSEM 2/BURNT BY THE SUN 2: EXODUS

1502011年4月16日公開

bakeneko

5.0

ネタバレ大きくなったね♡

スターリンによる軍部の大粛清を舞台にした「太陽に灼かれて」の続編で、前作で離れ々になった父娘の、独ソ戦初期の最前線における運命の流転をダイナミックな演出で魅せてくれる傑作であります。 久しぶりに本物の“映画”を観せて頂きました(2時間半があっという間に!)。 本作は東京で興行成績的には苦戦しているようです(私達が鑑賞した回は観客30人くらい―もったいないなあ)。 その理由は16年前の「太陽に灼かれて」を観ていないと本作のお話が分からないからであります(そして日本での公開版&市販されているソフトは短縮版(136分:オリジナルは152分)のみで、万全の予習が出来ないのであります)-つまり本映画は、主要登場人物だけでなく、端役のキャラクターまで同じ役者がしっかりと出てくる正式な続編で、前作のお話は劇中では説明されませんので、“一見さんお断り”的な作品となってしまっているのですね。 逆に前作の歴史的悲劇に引き裂かれた父娘に心痛めた想いをしっかり覚えている観客は、本映画で登場人物達との再会に驚き&喜ぶと共に、更に過酷な物語の続きに身を乗り出すのであります。 第2次大戦の東部戦線を語る際の有名な言葉-“独ソ戦に比べれば、他の戦線は子供のじゃれ合い”と表現される―苛烈な戦闘が、抜群の演出力で統率された本物の群衆と火薬&炎を使って描かれる迫力は映画のダイナミズムを味あわせてくれます。そして、死と隣り合わせにある(というより生きているのが僥倖な環境での)ユーモアや人情味の発露に、豪快で力強い生命力と共に運命の不可思議さをも感じさせてくれるのであります。 戦争という破壊と極限環境下の人間の本性を深く掘り下げている本作は、「ヨーロッパの解放」シリーズの幾つかの挿話や、「祖国のために」、そして「戦争と平和」の伝統を思い出させる、ダイナミックな中にも人間性への思索が読み取れる作風で、加えてミハルコフ監督は大好きな黒澤作品へのオマージュシーンも忘れずに挟み込んでいます。 また、この監督はとても流麗な映像を描きだす手腕も抜群であるので、多くの破壊シーンでも目を見張る映像美を創り出していますし、抒情的&回想シーンの切ないまでの美しさとロシアン・タンゴの名曲“ 疲れた太陽”にまた感じ入る作品でもあります。 父と娘のエピソードが代わる々展開する本作は、絶対に死ぬ様な環境で頑張る2人を観客も懸命に応援する作品で、現在創られている完結編が待ち遠しい映画であります。 ねたばれ? 死んだはずだよ○○さん~♪

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