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戦火のナージャ
2011年4月16日公開

戦火のナージャ

UTOMLYONNYE SOLNTSEM 2/BURNT BY THE SUN 2: EXODUS

1502011年4月16日公開

tsu********

4.0

第二次世界大戦独ソ戦前半‐親娘物語‐

米ハリウッド大作とは、ひと味違うロシアン大作。 どこと無く古風な香りがそこはかとなく漂い、それがある意味新鮮な感じも受ける。 第二次世界大戦ドイツ対ソ連(ロシア)の渦に巻き込まれ、運命に翻弄される親娘、コトフ元大佐とその娘ナージャ。そして、大佐の行方を追うKGB幹部ドミートリの三人が綴る本格的な戦争映画である。 16年前に公開されアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「太陽に灼かれて」の続編になる。前作がスターリン大粛清を背景にした1936年頃なので、そこから5ないし7年後が本作の舞台となる。 前作を知らなくても、ストーリー的には、問題ないが、やはり前作を知っておくにこしたことはない。レンタルが無理なら、せめて、ネット上で登場人物の人間関係だけでも簡単におさらいしておくことを薦める。また、東欧現代史が苦手なら、「スターリン大粛清」、「独ソ戦」などのキーワードも押さえておくとさらによいだろう。 それと、この作品は、三部作(以上)の二作目になる。終わり方が、明らかに続編を想定しているからだ。第一作目が第二次世界大戦前のスターリン大粛清時代を描き。今作で、その後にあたる世界大戦独ソ戦突入。この調子でいけば、次回作はソ連逆襲編となりそうな気配である。 さて、映画の方は、数あるエピソードを集合させたような構成で、それぞれが独立しており、しかも各々お世辞抜きに素晴らしい出来である。橋、船、塹壕(ざんごう)、集落地、市街地と、撮影も俯瞰(ふかん)にズームと、カメラアングルもなかなか。演出に監督のいぶきを感じる。迫力ある戦闘シーンもさることながら、非戦闘シーンも緊張感に溢れ、戦争の虚無感を上手く表現している。 しかしながら、いかんせん、エピソード間の繋がりがよくない。コトフ元大佐、ナージャ、ドミートリの三人の登場する年代が微妙に異なるのがその原因。1941年と1943年が交錯しながら、さらに同じ人物でもシーンが突然ガラリと変わる。まるで、積み重ねたエピソードの山からランダムにピックアップしているかのよう。鑑賞中は、頭の中で素早い切り替えが必要だ。 そうはいっても大作は大作。 迫力あるシーンはそれなりに楽しめる。 ただ感動は次作に持ち越しかな。 2011年7月23日 シネフクシネマモード1にて

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