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引き裂かれた女 (2007)

LA FILLE COUPEE EN DEUX/THE GIRL CUT IN TWO

監督
クロード・シャブロル
  • みたいムービー 59
  • みたログ 132

3.54 / 評価:28件

サスペンスでもスリラーでも、ラブでもない

  • 絶対の客人 さん
  • 2011年4月15日 0時44分
  • 閲覧数 414
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

最も適したジャンル付けをするならば『心理ドラマ』…かな?

公式サイトでもパンフでも、そしてここのサイトでも、この映画が、
サスペンスやスリラー、はたまたラブ・ストーリーだということを強調してますね。

ただ、犯人探しやどんでん返し、それがなくてもせめて、
陰謀が見え隠れするような事件を扱った作品をサスペンスと呼びたい自分としては、
とてもじゃないがこの映画をサスペンスとは呼びたくない。

そして犯人探しも含め、猟奇殺人犯や殺人鬼、または、
それを装った犯人との壮絶な戦いを描いた作品をスリラーと呼びたい自分としては、
とてもじゃないがこの映画をスリラーとは呼びたくない。

さらに、たとえそれが現実味のないファンタジーであっても、男と女がくっついて、
最終的にめでたしめでたしで終わる作品をラブ・ストーリーと呼びたい自分としては、
とてもじゃないがこの映画をラブ・ストーリーとは呼びたくない。

最初に言っちゃいますと、
この映画には犯人探しもどんでん返しも陰謀もなけりゃ、殺人鬼も出てこないし、
最終的に誰かと誰かがくっついてめでたしめでたし…ってなことにもならない。

目の前に現れた2人の男の人生を狂わし、そして自分も狂わされ堕ちてゆく、自業自得な女のお話で、
その人生の歯車が狂った男にも女にも、別に【ダイヤルMを廻せ!】のような奥深い陰謀は特にない。

それこそ一人の女の人生を見る、なんの捻りもない恋愛的心理ドラマ…になってしまったのも、
やっぱりこの映画が、最近ハヤリの微妙に脚色った中途半端な実録モノだからなのだろうか…

物語は1906年に実際に起きた、『スタンフォード・ホワイト殺害事件』に基づいている
…といっても、その事件を知っている人は一体どれぐらいいるのだろうか?…ってな事を、
以前にも書いたような気がしますが、当然の如くこれも、自分はちっとも知りません(笑)


<事件の経緯>

舞台は1906年アメリカ。プレイボーイで有名だったマディソン・スクエア・ガーデンの建築家、
『スタンフォード・ホワイト』が、愛人だった女優の『エヴリン・ネズビット』の夫に射殺された。

夫の名は『ハリー・ケンドル・ソー』
ピッツバーグの鉄道王の息子で、コカイン中毒のサディスト。

1906年6月25日、ソーとネズビットがマディソン・スクエア・ガーデンで観劇中、
ちょうどその場にいたホワイトを、ソーが突然至近距離から発砲して射殺した。

ソーは心神喪失と判断され、裁判で無罪を獲得。犯罪者精神病院に入れられ、
ネズビットはその後、無声映画の女優を経てカフェの経営者となり、事件は風化していった。



まあ、【神々の男たち】で描かれた『フランス人修道士誘拐殺害事件』に比べたら分かりやすく単純。
しかもそれを、登場人物をフランス人に変えただけでほぼありのまま映像化しているので、中途半端感も一入。

どうせ脚色するなら、【フロスト×ニクソン】や【バンク・ジョブ】、【アンストッパブル】のように、
名前を変えるだけじゃなく、多少リアリティを欠いてでも、もっと観る者をワクワクさせるような脚色をすべき。
それは最近のどの実録モノにも言える事だけど、自分はそれこそが <映画> だと思うワケです。


自粛すると言っておきながら、気がつけばまたフランス映画。
でも、珍しいことに最後まで全く眠くならずに鑑賞できました。

にも関わらず、もっとサスペンスフルな展開を期待していた自分としては、
脚本に難があり、展開が単純すぎて、思いっきり肩透かしを喰らった感じ。

正直、この映画のラストも意味がよく分かりませんでしたしね。
まさかアレで <引き裂かれた女> を表現した…なんて言いませんよね(笑)

ちなみにこの映画の邦題の【引き裂かれた女】とは、実際に女の体が引き裂かれちゃうわけじゃありません。
人生が…とか、心が…とか、愛が…とか、まあそういう内面的なことを表現しているワケですね。

決してスプラッターを期待して観に行かないように!(笑)

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