仲村みうさんの魅力
- cyborg_she_loves_me さん
- 2016年11月14日 0時27分
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コミックの実写化が成功するかどうかはケース・バイ・ケースで、実写映画が原作から独立した完結した世界として成立すれば問題はないんですが、伊藤潤二さんの作品のように、ストーリーは荒唐無稽にして滑稽の極みなんだけれども画像として無限の魅力がある、というタイプの作品を実写化したら、こんなにも愚劣な作品になる、というのを証明して見せたような作品です。
伊藤潤二さんの作品は、絵が底知れずエロティックなんです。それが伊藤さんの作品の魅力の9割以上を占めてるんです。それは実写で再現することは絶対的に不可能です。だって、エロスというのは本質的にイマジネーションの世界にあるものなんだから。それを無理にやろうとするのは、伊藤作品の魅力をまるでわかってない証拠だと私は思います(口の悪い言い方をすれば、原作の名声に便乗した荒稼ぎを狙った、と言われても仕方がないでしょう)。
と、酷評しておきながら、☆4つつけたのは、そういう話とは完全に別の話として、仲村みうさんの不気味な妖艶さが堪能できるからです。
はっきり言って、仲村さんは「富江」のイメージとはかけ離れた女優さんだと私は感じています。「富江」は外見上はもっと素朴にキュートな女性で、見るからに「魔性」を感じさせるような風貌の女性ではありません。だから男たちは警戒心も抱かず囚われてしまうんです。
だから、この作品は「富江」作品とは完全に別のものとして私は見ています。これは、『仲村みう・アンリミテッド』です。そういうふうに見たら、そこここに魅力たっぷりです。
後半のスプラッター・シーンは少々やりすぎで、製作者のセンスのなさを露呈してますけどね。きゃりーちゃんも言ってるでしょう。「グロテスク」ってのは、「かわいい」んですよ。「グロテスク」ってのは、美学のひとつなんですよ。その美学が、製作者にはない。美学のないグロテスクは、ひたすら不愉快なだけ。
要するに、仲村みうさんが主演じゃなかったら、何の価値もない映画ですね。私にとっては。
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