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軽蔑 (2011)

監督
廣木隆一
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2.40 / 評価:304件

解説

賭博に明け暮れ欲望のままに生きる男と、彼の生きざまに惹(ひ)かれた踊り子が、命を狙われながらも愛し合う姿を描くラブストーリー。芥川賞作家・中上健次による最後の長編作品を基に、愛し合うものの引き裂かれていく純粋で不器用な男女の愛をリアルな筆致で映像化。『ヴァイヴレータ』の廣木隆一が監督を務め、『白夜行』の高良健吾、『吉祥天女』の鈴木杏がダブル主演で刹那(せつな)の男女を熱演。魂を揺さぶる壮絶な愛のドラマに圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

東京で堕落した生活を送る若者カズ(高良健吾)は、歌舞伎町で働く踊り子の真知子(鈴木杏)と激しく惹(ひ)かれ合い、彼女と一緒に故郷に戻って暮らし始める。しかし、彼らを歓迎する者はなく、真知子は東京へと去り、カズは高利貸しの山畑(大森南朋)の金で賭博にのめり込む。やがて山畑は借金の帳消しと引き換えに真知子を要求し……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2011「軽蔑」製作委員会
(C)2011「軽蔑」製作委員会

「軽蔑」「男と女は、五分と五分」のフレーズが映画では響かず

 「ヴァイブレータ」ほか文芸作品で際立った手腕を見せる廣木隆一が、中上健次の遺作「軽蔑」に挑んだ。中上健次は、紀州サーガと呼ばれる新宮の<路地>をベースにした豊饒な物語世界を自ら封印し、最後の吐息のような、この美しい純愛小説を物した。

 廣木は、新宿・歌舞伎町でトラブルを起こしたチンピラ・カズ(高良健吾)と、彼が惚れたポールダンサー・真知子(鈴木杏)との逃避行を疾走感あふれるタッチで追う。辿り着いたカズの故郷の撮影場所として新宮を選んだのは中上へのオマージュでもあろう。

 しかし、地元の資産家の御曹司で万事が親掛かりである甘ったれのカズが賭博で借金を重ね、真知子を道連れに、ひたすら転落していく軌跡に、見る者は切迫したシンパシーを重ね合わせることはむずかしい。

 たとえば、原作であれほど魂を震わせるように響いていた「男と女は、五分と五分」という真知子の痛切な独白が、映画では、リアルな情動として刻印されることはなく、微妙に空転している印象すら受けるのだ。本作において、廣木はそのトレードマークともいえる長回しのロングショットで対象を見つめるスタイルに固執し過ぎ、それゆえに愚かしさにまみれた恋人たちの、その寄る辺なき裸形の魂が相寄る瞬間をとらえそこなっているように思える。鈴木杏が肢体を惜しげもなくさらして熱演しているだけに惜しまれる。(高崎俊夫)

映画.com(外部リンク)

2011年6月2日 更新

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