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終わってる (2011)

監督
今泉力哉
  • みたいムービー 12
  • みたログ 41

2.22 / 評価:27件

浅い

  • hitoricyber さん
  • 2012年1月20日 14時28分
  • 閲覧数 595
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

BGMがなく、物音を強調し、やたら登場人物のアップが続く。
そして自分以外の相手を傷付けていく身勝手な「行動」を映し出している。
この映画は一見、若い男女の複雑な恋愛関係をリアルに描写しているかのように感じる。

しかし、この監督はまるでリアリストではない。
究極のロマンチストである。
何故なら、若い男女の理不尽なまでの「行動」は映し出していても、
その背景にある「心理」の描写はまるで出来ていないからだ。

そもそも、俳優業に憧れて演劇の世界に飛び込む若い男女は、
無防備な友好関係のもとに、その場限りの快楽を求め合う傾向にあるものだ。
「多くの人に注目されたい」という魂胆は「多くの異性の気を惹きたい」と同意であり、
そこに「俳優業」という正当化された建前がお膳立てされると、
カメラや舞台の外では、欺瞞と淫欲に満ちた世界が広がる。
そこには、真の意味での信頼も愛情も忍耐も何もない。

恐らくこの若い監督は、そうした辛い経験を人並み以上にしてきたのだろう。
しかし、芝居の世界に身を投じれば、それは当然の経験であり、
仮にも映画監督を名乗るならば、そうした辛い経験を精神的に乗り越えていて欲しい。
それらを冷静に受け止める度量がなければ、「心理」のリアル描写など出来るはずがないからだ。

信じられないような異性の裏切りに苦しむ経験は、実は誰にでもある。
しかし、人間不信になりきって居直るには、この監督は若すぎる。
主人公が「もう自分がわかんねーよ!」と叫び、
死んだ友人が「生きてるだけで充分ジャン」と呟くシーンがこの監督の今の自分自身であり、限界でもあると感じる。

この映画に登場する俳優全員が、「等身大の自分の姿」を、
カメラの前で拙い緊張感の元にさらけ出している。
それは決して「演じている」というレベルではなく、
普段の自分を恐る恐る公開しているに過ぎない。
厳しいようだが、これではネットでライブチャットでも覗いている方が、よっぽどリアリティがある。

この監督は究極のロマンティストである。しかし全く表現する術を持っていない。
欺瞞や淫欲を冷静に客観視出来る年齢になってから出直した方がいい。
このような作品は、観客(見る側)に何も与えない自己満足の塊であり、
若い人に誤解と失望を与えるだけである。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
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