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大鹿村騒動記 (2011)

監督
阪本順治
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3.59 / 評価:419件

アルツハンマー?

信州伊那の大鹿村に伝わる歌舞伎をみた原田芳雄さんが映画にしたいという思いで作ったこの映画、図らずも遺作になってしまいました。

たぶん、若い年代ではそれほど受けないかもしれません、40代いえ50代以上になってからのほうが面白く感じるかと。いえ、上から目線でいってるのではないのです。村にとって一大行事である歌舞伎を間近に控えた山村に18年前に駆け落ちしたカップルが帰ってきて巻き起こすちょっとした騒ぎ。タブん、若い年代ではいえ、都会であればあ、そうなので終わってしまいそうなできごとなんだけど、村にとっては大変な大騒ぎなのです。

実際村に伝わっている歌舞伎を最終目標に物語は進んでいきます。そこここに笑いは巻かれていてその笑いは出ている役者さんたちが全部アドリブなんじゃとおもわせるほどの絶妙な間合いで見せてくれ、もう、私には楽しくておかしくて。

秋も深まっていく山の村の風景もとても美しくて。なんといっても圧巻は皆さんもおっしゃる通りの最後の歌舞伎の場面です。もともとみんなうまい役者さんなんだから当たり前だけど、やっぱりグイグイ引きつけられます。特にほんとはプロなんけどプロじゃない人が演じてる歌舞伎、きっと演技が大好きな人はこの自分でない役に入って普段の生活から全く切り離された別空間で別の人になるっていうのが、とてもカタルシスあふれた瞬間なんだろうななどと知った風を書きましたが。そんなことはどうでもいいくらい、歌舞伎を役者さんたちが楽しんでいるのを感じます。

親友と奥さんが駆け落ちしてしまった善さん、どんな気持ちで二人を迎えたんだろう。奥さんの状態を聞いたときにアルツハンマー?ってきくシーン。笑っちゃいながら、これは実はすごい本質的な名称なんじゃないかと思いました。アルツハイマーと診断されたら、本人も家族もそれこそ、青天の霹靂、ハンマーで殴られたほどの衝撃だと思いますので。

認知症、リニアを引くかどうするか、若い役場の女性職員の東京に行っちゃって帰ってこない恋人、過疎化、高齢化など笑いの陰にやっぱり問題はいっぱいあるのですが。何よりむら全体が楽しみにしてる歌舞伎が村をひとつにしています。きっと都会ではこんなに濃密な近所付き合いはないので、ここで生まれ育った人しか、入り込めないと思うけど。冬を控えて楽しい時間を持つことで長い寒い冬を乗り越えていくんだろうな。

役者さんたちすごいです。どの人もみんな主役級。どこに目をやろうかと思うほど。その中でやっぱり原田芳雄さん、体に癌を抱えていたとは思えないほどの動きと声の張り。このだみ声と野性味あふれる容貌演技が見られないと思うととても残念です。そして大楠道代さん、若いときから見るともちろん年齢がはっきり容貌に表れてるけど、着物姿で歌舞伎を演じているときの妖艶さと言ったら。またぜひスクリーンでお目にかかりたい。そして、この映画で初めて松たかこさんの良さがわかった気がします。今までちょっと苦手でごめんなさい。
えいたさん、それから女の子見たいな声の男の子、と若い人も加わって全くの中高年映画にはなってないですが。あまり映画すきでない母もとても楽しそうに見ていました。いつまでも一緒に笑いながら母と映画が見たいとつくづく思いました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • 切ない
  • かわいい
  • コミカル
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