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大鹿村騒動記
2011年7月16日公開

大鹿村騒動記

932011年7月16日公開

ksk********

4.0

素晴らしい遺作です

原田芳雄さんの遺作。後に重要無系文化財に指定された大鹿歌舞伎をモチーフにしながら村の人々の愛惜を明るく渋くさり気なく描いた作品。 冒頭から原田芳雄さんの独特のセリフ回しや所作に感嘆。あの言い回し、松田優作が影響を受けたというのもうなずける。コメディータッチで格好つけてるわけでは全然ないのに情けないシーンでもニヒリズムが滲み出る。このタイプの役者さんって天性なのでなかなか出てこない。ゆえに今生ではいないわけですね。 共演者はこの上なく豪華、三国連太郎ー佐藤浩市親子の最初で最後の共演だったり、松たか子、岸部一徳、石橋蓮司などなど。それでも主役としての原田さんは物凄い存在感なのです。 物語は腐れ縁の幼馴染みと駆け落ちした女房、というとんでもない二人が帰ってきたことから始まり、村の伝統である歌舞伎を通じての再生を描く。でもそこはお涙頂戴だったり、ウエットな人情、友情、愛情ではなく、やんごとなき腐れ縁の世界なのです。 源氏の演目での最後のセリフ「仇も恨みも是まで是まで」に掛けたストーリー。それ故に最後の30分の歌舞伎舞台シーンは本格的で監督と原田さんの思い入れが伝わってきた。脚本としても良くできていると思う。もしかしたらこの歌舞伎演目こそが主題で、人間模様はサイドストーリーに過ぎなかったのかもしれない。 素晴らしい遺作でした。

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